【30プリウスの“魅せる足回り”】壮絶ハンドメイドでプッシュロッド式へとモディファイ!

魅せる足回りを極めた終着点は壮絶ハンドメイドによってプッシュロッド式へモディファイ!

       
「ストローク全域でフェンダーツラツラにしたい」そんな純粋な(?)動機から、オーナーのプロジェクトはスタートした。

フロントはロワアーム加工とワンオフの車高調でストロークに合わせて絶妙にキャンバーがつき、フェンダー内に収まるセッティングに。リアサスペンションは、ワンオフのメンバーを製作して理想のストロークを追求してマルチリンク化。さらにボディを貫通して伸びたスイングアームをトランク内のショックを押すプッシュロッド方式に変更。これに合わせてレクサスRC Fを意識したラインでフェンダーをフレアし、30プリウスでは通常ありえない鬼キャンストロークを実現したのだ。

実は足回りばかりがクローズアップされがちだが、このクルマの凄みはインテリアにもあり。オーナーが若い頃にイメージした未来の世界を演出したインテリアは、同世代なら誰もが「そうそう、コレコレ!」と感涙してしまうデザイン満載なのだ。アシンメトリーなパイプ配置や、六角形の連続模様、さらにはコンピューター草創期のデジタルフォントなど、オーナー曰く「ガンダムというよりダンバイン」という絶妙な世界観が存分に表現されている。車内に配置されたサスペンションは、この世界観を表現するためといっても過言ではない。

家族グルマを車両入れ替えを機にプロジェクトカーに転用し、コツコツ現在の姿に仕上げてきた。’16足回りの大幅リニューアルを経てようやく一応の完成形となった。エコというキーワードでバカ売れした30プリウスは、簡単に入手できるカスタムに最適なベースカーでもあるのだ。車検3回で廃車にするのではなく、こうやって再びエコカーをカスタムのベースに再利用してこそ、本当のエコなのかもしれない。

【画像8点>>超絶足回りの30プリウスのディテールをCHECK!!】


>>外装はエイムゲインのTYPE3をベースに大幅加工を施したエアロを纏う。レクサスIS F風の上下2連の4本出しエキゾーストや、リアのアンダーディフューザーなどはオリジナルのモディファイ。



>>ワークのデュランダル DD5.2で、フロント19×9.5J OUT15にスペーサー60mm、リアは19×11J IN19にスペーサー50mmというプリウスではありえないサイズ。これにフロント215/35-19、リア245/35-19を履く。



>>ボディを貫通して車内に伸びたスイングアームや倒立配置したコイルオーバーショック、そしてそれらを支えるワンオフのメンバーなど、トランクはサスペンションを魅せるためのスペース。さらに金属やシルバーペイントを多用し、全体的に未来っぽい空間に。



>>三角形に肉抜きしたメンバーや、アシンメトリーに配置したパイプ、パネルに入れられたデザインなど、オーナーの「’80年代にイメージした近未来」が存分に表現されている。



>>リアサスペンションは、理想の軌跡を描くように、試行錯誤でワンオフ製作したマルチリンクという大作。ワンオフのメンバーにピロ化した各部のアーム類もワンオフ。



>>さらにピロ化したことで、各部のアームは長さを調整できるターンバックル化してあり、タイヤ角度やアライメントの調整幅をかなり広く設定している。



>>シルバーとブルーで統一されたインテリアは、このクルマのもうひとつの見どころ。内張はシルバーとブルーの生地で全面総張り替え。オーナーが思い描く未来感と、宙に浮いたセンターコンソールやボタン操作のシフターなど、30プリウスのデザインが見事にマッチしている。クルマは地を這って走るのに、気分は宇宙を駈けるパイロット!



>>家族のアシとして購入した30プリウスは、クルマの入れ替えを機に下取りではなく、オーナーのプロジェクトカーという第二の車生を与えられ、再びスポットライトを浴びることとなった。捨てずにガンガン使い倒すべし! これぞ本来のエコカーの姿だ。


『カスタムCAR』2018年2月号掲載
BASE CAR:プリウス 2010年型

PHOTO&TEXT/勝村大輔

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