鬼竜丸 ベース車隆盛当時の面影を求めていぶし銀のスタイルを再現

一方の荷台周りも、特大の鏡面プロテクトップや、アンドンとマーカーで個性を演出したサイドバンパー、深掘りの6角スペースに丸型のヤンキーテールをインストールしたテールボックスなど、見どころが目白押し。佐賀県の看板屋「宮地工芸」の筆致が光るアオリの社名やドア文字も見逃せないビューポイントだ。

       


福岡県久留米市のアートカンパニー「中商荷役急送」に所属するオーナーがワッパを握るダンプは、昭和62年式の日野ドルフィンをベースに、ドルフィンが隆盛を極めた’80〜’90年代初期のスタイルを意識したアートを展開している。

注目のキャブ周りには、量感あふれるメッキの舟型バンパーをはじめ、「打ち出し模様+プリズムシート」のアレンジが秀逸なシートキャリアや平型バイザー、コの字型ミラーステー、丸パイプ仕様のキャブハシゴなど、ベース車の魅力を余すことなく引き出す秀逸な大型パーツをラインナップ。前期型のドルフィングリルに乗用車のライトを組み合わせたフロントマスクは、ウイングマークや2本手すりパイプ、「Hino Blue Ribbon」のエンブレムなど、レトロ系アイテムとの相性も上々で、周囲の視線をクギ付けにしている。

なお、乱反射風のイルミネーションがご自慢だというカットレンズ仕様のアンドンや、通常よりも明るめのレンズを採用した緑のマーカー、走行中にほどよく揺れるよう工夫を凝らしたヤンキーホーンのステーなど、ディテールメイクのコーディネートも充実。全方位を抜かりなく昇華させたことで往年の姿を彷彿とさせる、トップアートにふさわしい堂々とした風格を手に入れている。

【写真6点】’80〜’90年代初期のスタイルを意識。

カミオン2010年10月号トップアートをもとに再構成

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