このクルマの最大の特徴といえるのが、コテコテといわれた関西アートを彷彿させるキャブ周りだ。マーカーやアンドンをオリジナリティたっぷりに配置することで、ところ狭しと顔面を飾り上げている。
トップパートはマーカーを多用したプロテクトップに天板を抜いたバイザー、丸パイプ製のミラーステーとユニークなパーツが並ぶ。特に丸パイプ3本を使って立体的に造形されたミラーステーは、丸リングのチップが採用されて抜群のオリジナリティを誇る。
伝統を感じさせるマーカーの多用に、ストロボライトやLEDなどの現代風アートパーツをうまくコンビネーションしているのも見逃せない。さらにミラーステーのブレ留め、ダイヤカットのフロントパネルと、怒濤のごとくキャブアートは続く。
フロントパネル内部には蛍光灯とオレンジ、グリーン、ピンクのマーカーが配置されており、極彩色で魅力あふれるナイトシーンを披露する。
ラッセル戻しのフロントバンパーは上面に7発の筒出しを装備。筒出しの内部には7色に光るLEDを仕込み、ここにも現代風のアレンジをプラスするとともに、オリジナリティを追求することを忘れていない。
ほかにも荷台部分のステンレス巻きなど伝統的な手法をみせながら、先進的なアートを巧みに取り入れたこのクルマは、新たな恋姫丸伝説を後世に残す予感を漂わせた意欲車だ。
【写真7点】古き良きモダンスタイル。カミオン2008年11月号トップアートをもとに再構成