【クルマで出かける水アソビ】田中ケンと気田川カヌー。フルサイズUSバンのシボレー・エクスプレスで行く親子カヌーイング!!

今日の流れは比較的穏やかだが、水量が少なめなのでカーブの流れが激しくハードな箇所もある。絶妙な進入角度から攻め込み、船体をスライドさせながらスマートにクリア。翔さんの見事なパドルワークにケンさんもご満悦。マンツーマンで漕ぎ方を教えていた頃が昨日のことのようだ。

       
快適生活研究家の田中ケンさんが訪れたのは気田川。ここは息子の翔さんが2歳のときから、ともに川下りを楽しんだホームグラウンドとも言える場所。2艇のカヌーを積むためにベストの選択ともいえる愛車・エクスプレスのハンドルを息子に委ね、当時の思い出を思い浮かべながら、川沿いに降り立った。来るたびに流れが違うこの川は、今日どんな景色を見せてくれるのだろうか?

【画像10枚】快適生活研究家の田中ケンさんが20年以上通いつめるホーム「気田川」での息子・翔さんとの水アソビの様子はココから!!

今日は思い出の地・気田川で息子と2人のカヌーキャンプ

「快適生活研究家」として長年各メディアで、アウトドアライフの魅力を紹介し続けている田中ケンさん。もともとモデルとして活躍していた20代の頃、たまたま知人に誘われて参加したキャンプにハマり、自ら大自然の中へと足を踏み入れていって、いろいろなアウトド・アクティビティに挑戦することになった。

そんなケンさんが最もハマったというのがカヌーイング。カヌーイングは大まかにオープンデッキ(カヌー)とクローズドデッキ(カヤック)の2種類に分けられ、湖や川、さらには海など、水があるところならどこでも楽しめる人気のアクティビティだ。

中でもケンさんがお気に入りなのが、クラシカルなカナディアンカヌー。大きめの舟艇をシングルパドルで漕ぎ、優雅なスタイルでクルージングできるのがポイント。安定感もあり湖での釣りにも最適だ。上級者にもなれば、ちょっとした激流でもクリアできるとあって、わりと通好みなスタイルとなる。

仕事柄、日本中の川や湖などでカヌーイングを経験したケンさんが、ホームポイントとしてこよなく愛するのが、静岡県の奥地にある気田川だ。ケンさんをもってして「雨が降らなければ日本一」と言わしめる水の透明度とゆるやかな水流、それとすばらしいロケーションが魅力的で、日本各地からカヌー好きが集まる人気スポット。

ケンさん自身も初心者の頃から通っているポイントで、いつ来てもリラックスできるとあって今でも足しげく通う。「気田川は来るたびに流れが違うんだよね。だから毎回新鮮な気持ちでクルージングできるんだ。」そんな気田川での一番の思い出は、約25年前に某メディアの企画で、当時まだ2歳だった息子・翔さんを連れて行ったカヌーキャンプ取材。そこで翔さんと初めて親子でカヌーイングを楽しんだ。それを皮切りに毎年GWに気田川の秋葉山神社前キャンプ場で1週間泊り込み、朝から晩まで翔さんと川下り三昧♪

おかげで翔さんは、小学校を卒業する頃には、かなり上級者のアウトドアマンへと成長。まさに田中ケン流スパルタアウトドア教室だ。そんな田中親子の思い出深い気田川で、久しぶりに親子2人だけのカヌーキャンプをすることになったのだ。



>>20年以上通いつめる静岡県の奥地にあるホーム「気田川」は、訪れるたびに表情を変える。今日はそんな思い出の地・気田川で息子と2人のカヌーキャンプ。「親子」だった2人の関係は、カヌーイングを通して、今ではすっかり「相棒」となった。


>>カヌーイングでは、途中で船を停めて普段立ち入れないような岸や岩場などを散策するのも楽しみのひとつ。そこで焚き火に使う薪としてイイ感じの流木を拾い集める2人。



>>乾いた流木は燃えやすく、火力も強いので、川下りの後に身体を温めるのには最適となる。


愛車、シボレー・エクスプレスはカヌーに最適な存在

現在、ケンさんがプロデュースするアウトドアプロジェクト、「OUTSIDE」のスタッフとして活躍する翔さん。最近は2人で全国各地のイベントへ赴くことが増え、ケンさんの愛車シボレー・エクスプレスにギアを満載して移動する毎日。つかの間の休日ということで、翔さんがハンドルを握り、気田川へ。

ルーフキャリアにはケンさんの愛艇「OLDTOWN CAMPER」と、ケンさんから譲り受けた翔さんの「OLDTOWN DISCOVERY 146K」の2艇を積載。長さ440cm以上もあるので、2艇同時にとなると、フルサイズUSバンじゃないとしっかりと積みきれない。

まずはスタートポイント近くにクルマを停め、慣れた手つきでカヌーを下ろし準備をする2人。絶妙なコンビネーションでカヌーを川岸まで運び、颯爽と漕ぎ始め、約1時間ほどクルージングを楽しんだ。

岸に上がると、阿吽の呼吸ですばやくタープと焚き火をセットし、お気に入りのコーヒーを飲みながらカヌーの話で盛り上がる。親子で、同じ場所で同じことを繰り返してきたが、いつしか相棒的な関係へと変わった2人。いつしか辺りは薄暗くなり焚き火のオレンジが濃くなってきた。今日はこのまま朝まで語り合いそうだ。


>>愛車のエクスプレス。大量のアウトドアギアを満載できるのも魅力だが、一番の目的は、カナディアンカヌーを2艇同時に積載可能なサイズ感! 専用ルーフキャリアもわざわざアメリカのスーリーから取り寄せたほどだ。


>>カナディアンカヌーを2艇同時に積載し、走行するエクスプレス。ステアリングを握る息子の運転に揺られながら、助手席で緑が美しい木々を見るのも悪くはない。


>>2人の愛艇である「OLDTOWN」は、今は製造中止となったロイヤレックスという高強度(ビルの5階から落としても大丈夫!)の素材を使用したヴィンテージ。オールは1枚板から削りだした軽量のオールを使うなど、チョイスにもこだわっている。



>>「幼少の頃、ここでカヌーの操舵方法のほかにも、ウォータージャグに入れた10ℓの水を、いかに無駄なく使うかなど教えてもらったり、穴を掘ってトイレを作ったりしましたね」と懐かしがる翔さん。自身のアウトドア技術の原点がある大切な場所だと言う。いつかは親子三世代で川へ繰り出し、焚き火を囲みながらコーヒーを飲む日が来るかも?


>>水の透明度とゆるやかな水流+すばらしいロケーションが魅力的な気田川。カヌーイングのあとは、時間の許すがぎりさまざまな話題で盛り上がる。親子には、男2人でしか話せないこともある。


初出:OUTDOOR あそびーくるBOOK 2019年 Vol.06
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

Base Car:2001年型 シボレー・エクスプレス

文・写真/ノグチケイスケ

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