アウトリップの哲学(FERRARI 488 PISTA × 326 POWER)

高いクルマをベースにするからエラいんじゃない。だれもが振り向くクルマであっても、自分のスタイルを貫く姿勢がエラいのだ。だからこそ326パワーは、V8フェラーリの最高傑作にアウトリップの哲学を持ち込んだ。速さよりも独自の美的センスを優先させたユーロを世界は熱く見つめる。

       
この業界で“326”の数字は、 “326パワー”のことを真っ先に指し、“488”の数字はフェラーリのV8モデルを指し示す。そして、この326と488の違いは、ただ数字が162違うだけみたいな、そんなカンタンな違いじゃない。 326のほうはシャコタン野郎とドリフターの足をホイールと足回りパーツの両面から支える一大勢力として、スタンスという名のモディファイワールドに堂々君臨。質の高さはもちろんのこと、そのネーミングセンス(ヤバキング、チャクリキダンパー、ガチャバリフェンダーなどなど)と網膜に突き刺さるかのような原色系カラーリングセンスは、業界他社の追随を一切許さず、ライバルたちを周回遅れにするほどのブッチギリっぷりを見せている。

一方の488と言えば、ターボ化された新世代のV8として2015年にデビュー。登場前は「ダウンサイジングターボじゃつまんね」的なディスりもチラホラ聞こえたものの、いざ公道やサーキットを走り出したら、「やっぱ最新のフェラーリは最高だわ!」の歓喜に一変♡ 中でもモデル末期にリリースされた488ピスタは、それまでのスペシャルモデルである488チャレンジや488GTEのいいトコどりをした最終形態。ベースグレードのエンジンと比べて+50psの720ps、+10N・mの770N・mのバカヂカラを発揮。逆に目方は−91kgと、カーボンパーツ大量投入の恩恵により、過酷な減量もサラッとこなしてしまった、マジな公道レーシングマシンなんスわ。

これらのストーリーを踏まえると、326と488は平行線ってゆーか、どうにもこうにも噛み合わない気配がヒシヒシなんだけど、そこを強引にくっつけちまうのが、326パワーの326パワーたるゆえん! なんと“326”こと春口326サンが、このたびフェラーリ488ピスタのオーナーに就任! 一生交わることなどないと思われていた326と488、2つの数字を重ね合わせることに成功しちまったのだ。

で、完成したお姿は、まさかと言うか、やっぱりと言うか、今や326発の伝統芸能と呼べる、あのアウトリップスタイル一択のみ。材料は326パワーの主力商品であるヤバキングスポーク20×12J−20/12.5J−40、285/30と305/30のタイヤ、チャラバネ、アッパーマウント、チャクリキダンパー、ワンオフのリアアッパーアームなど。これまでにも多くのクルマをアウトリップの道に引きずり込んできた326パワーと言えども、初めて体験するイタリアンエキゾチックを前にして「ホントに深リムのホイール履けんの?」とか「フェンダー無加工でイケんの?」といった、壁にブチ当たったのもムリはない。しかし、そこは日本屈指のアウトリップ職人が集う同社だけあって、フェラーリ純正の油圧リフターを殺さず、前後10度のキャンバー角を付け、ホイールのフランジがモノの見事にタイヤから飛び出す、アウトリップの美学を貫き通したのであった。

この出来栄えに、「せっかくのピスタのパフォーマンスが台無し!」やら「もう0-100km/h2.8秒の暴力的加速が味わえない!」やら、外野のご意見が騒がしくなるのはごもっとも。でもね、326パワー以外、世界のどこのだれもこんなムチャはしないハズ。逆に言うと、326パワーがやってくれたおかげで、画像加工でしか見ることのできないアウトリップピスタがお目にかかれたワケなのよ。だから、326パイセンに感謝することはあっても、ブーブー言うのは的ハズレなことだと、ここで言わせていただきたい。

ところで、「なんで今、488ピスタでアウトリップなのか?」という、基本的なクエスチョンの答えが出ていない。それを326サンに直撃すると、「実はスタンス・マガジンさんと仕事するようになったおかげで儲かっちゃって(笑)。今、自分の家(通称:326御殿)を建ててるんですよ! 当然ガレージもあって、そこに飾って、コーヒーでも飲みながら眺められるクルマが欲しかったんです。そうなると、やっぱりスーパーカーでしょ? で、いろいろ見た中で488ピスタが一番カッコいいと思えた。色もビアンコフジに、326パワーのイメージカラーであるイエローのラインとキャリパーが入った車両があったんで、何も迷わなかったですね。でも、クルマがフェラーリになっても、アウトリップだけはハズせない。これがあるから自分であり、326パワーなワケですから」 と、天下の488ピスタにビビることなく、アウトリップを主張する。この生きざまがあるからこそ、326パワーはシャコタンオーナーたちから愛されているのだと、実感!!

【画像7枚】絶妙なキャンバー角&アウトリップしたホイール、326のパーツを注ぎ込んだ脚線美など、メイドインイタリアをも屈服させたモディファイは今すぐココからチェックせよ!!

(SPEC)
●OWNER:326 HARUGUCHI
●BASE CAR:FERRARI 488 PISTA
●WHEELS:326 POWER YABA-KING SPOKE(F=20×12J-20 , R=20×12.5J-40)/ ORETACHI NUT L SIZE / DRILLED CAP L SIZE / VALVE CAP L SIZE / EU STUD
●TIRES:F=285/30-20 , R=305/30-20
●SUSPENSIONS:326 POWER CHAKURIKI DAMPER BUCCHIGIRI 488 PISTA SPL / ONE-OFF REAR UPPER ARM
●EXTERIOR:326 POWER ONE OFF MANRIKI WING

source:326パワー 082-426-3260

photo:Yoshitaka Takahara text:Akio Sato(rsf)

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