カッパーブラウンの330【2】発売当時価格193.2万円。パワーウインドーが珍しかった時代の高級車|1977年式 日産 グロリア 2000GL-E

窓を全開にするとその開放感が実感できる。ドアも重量があり、現代のクルマと比較しても遜色ない高級感だ

【1977年式 日産 グロリア 2000GL-E Vol.2】

 74年から78年にかけておきたスーパーカーブームの最中でも、国産セダン系のクルマに夢中だったオーナー。それには日産セドリックに乗っていた叔父の影響が大きかったという。まだパワーウインドーが珍しかった時代、当然のように標準装備された高級車は憧れの的だった。その嗜好は中学、高校と進んでもかわらず、18歳で運転免許を取得した後はマークⅡ、クラウン、Y30セダンやY31シーマなどを乗り継ぐ。しかし叔父が所有していた330に対する気持ちだけは特別で、いつかは乗りたいと考えていた。

【画像20枚】グロリアは青、セドリックは赤のエンブレムだ



 仕事上クルマで長距離移動することが多いオーナーは、街道沿いの中古車ショップのチェックを怠らない。そんなある日スクラップ寸前の状態で置いてある331グロリアを発見。ボディは錆だらけ、車内もカビで真っ黒、もちろんエンジンはかからない。しかし見かけのひどさの割にはしっかりした車体だと見抜いたオーナーは、持ち主に直接交渉し、当時所有していた430グロリアを売却して購入。修理工場に勤める友人の協力もあり、レストアを始めた。クルマの中で発見したショップの名前からたどって、記録簿を入手。これがレストアの手助けとなり作業は順調に進む。全く改造されていなかったことや、欠落部品がほとんどなかったこともあり、約1年後新車同然の輝きを取り戻した。残念だったのはホイールキャップ。オリジナルは1個しか残っていなかった。あきらめ半分でオークションサイトを眺めていると331セドリック用のホイールキャップが何故か3個ワンセットで出品されているのを発見し落札。姉妹車であるため問題なく付けることができた。


【画像20枚】右側後輪だけに残っていたグロリアオリジナルのホイールカバー。ボディをオールペイントした際に、ホイールも同色でペイントしなおした。オリジナルのGL-Eもボディと同色のホイールカバーが装着していた

カッパーブラウンの330(全3記事)

関連記事:330

初出:ノスタルジックヒーロー Vol.142 ノスタルジックヒーロー2010年12月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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