カッパーブラウンの330【1】トランクの裏地、その色を元にオールペン|1977年式 日産 グロリア 2000GL-E

カッパーブラウンの330

       
【1977年式 日産 グロリア 2000GL-E Vol.1】

 中学生の頃、十円玉に酸をかけて本来の青銅色(ブロンズ)にする実験をした記憶はないだろうか。汚れて茶色になった十円玉が瞬く間に光り輝く色を取り戻す姿。金属に美しさを感じる最初の記憶かも知れない。その輝きに限りなく近い色の1977年式のC‐331型グロリア。実はオリジナルの色ではない。購入後のレストア時にトランクの裏地に残っていた色をもとにオールペイントしたためだ。ボディ全体に使う色とトランク、ボンネットの裏地に使う色は若干違う。そのためオリジナルのカッパーブラウンに比べてオレンジに近い色になってしまったとオーナーの小比田憲治さん。「オリジナルのカラーはもっと銅に近くて、もっと暗い色です。でもこの色は気に入っています」という。確かに重厚感ある青銅色も良いが、まだ若いオーナーには明るい色の方が合っている。

【画像20枚】 前後ウインドーを同時に開けるとピラーの無い構造を改めて実感できる。特に4ドアハードトップでは開放感が大きい



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 年齢が若いにもかかわらず旧車を中心に多くの車歴を持つオーナーは、ここ2、3年で、結婚し、家を建て、子供が生まれるなど、大きく状況が変わったが、奥さまの理解があり、イベントへも夫婦で参加するなど独身時代と変わらないクルマ一色の生活を送っている。ただ自宅リビングに並べられているミニカーの中にバイクの影がちらほら。「実はバイクも好きでいろいろ手を出していたのですが、クルマとバイクのどちらかにしてと家内に言われまして」と苦笑い。これからはグロリアだけの生活にすると宣言。長く乗り続けるためにバッテリーをはじめ、電気系の消耗品を新品に交換しているが、今後、気になっているダッシュボードのヒビの修復と、家族を乗せて快適に長距離移動するためのETC装備を考えている。



【画像20枚】330はバリエーションが非常に多く、また毎年のようにエンジンの型式が変わる。これは年度ごとの自動車排出ガス規制に適合するためで、有名な昭和50年度排出ガス規制の後も昭和51年、昭和53年、昭和54年と毎年のように改正され、その度に適合エンジンを搭載する必要があったため、330系も331、332と変化せざるを得なかった

カッパーブラウンの330(全3記事)

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初出:ノスタルジックヒーロー Vol.142 ノスタルジックヒーロー2010年12月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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