黄色ナンバーのフィアット【3】空冷に戻された650cc直列2気筒エンジン|2000年式 フィアット 126 マルチ

この個体ではオイル容量アップのため、リプロのアバルト用オイルパンを装備

【2000年式 FIAT 126 Vol.3】

【画像17枚】空冷2気筒OHV652ccのエンジン。87年登場の126bisでは水冷化されたが、信頼性不足のために空冷に戻されたという

1987年にはフィアット500以来となる直列2気筒OHVエンジンを水冷化して横倒しとしたことで稼いだスペースに、利便性の高い荷室とハッチゲートを設けた「126bis」も追加される。

また92年にはFSM社がフィアット・グループによって買収され、「フィアット・アウト・ポーランド」となったことから「ポルスキ」の名は消滅した。単に「フィアット」と呼ばれることになるのだが、肝心の126bisは肝煎りの水冷エンジンに故障が頻発してしまったことから、94年には再び直立型の空冷に戻し、ボディも2ドアへと回帰。各部の補強材で衝突安全性を強化。同時に内装も見直され、樹脂製のパネルで乗員の保護能力を向上させた「126el」系に進化する。

そして97年にはキャブレターのまま、点火系の電子化で排気ガス規制に対応した「126maluch(マルチ)」。翌98年には後席にもヘッドレストを設けた「126マルチ・タウン」も相次いで登場。

この126マルチの時代、99年からは、並行輸入された車両が軽自動車登録されて日本でも販売。当時、珍車好きのマニアの間ではなかなかの話題を呼んだ。


>>「フィアット・アウト・ポーランド」社の生産であることを示す型式プレート。



FIAT 126 ※スペックは初期型のものです。
主要諸元 Specifications

全長×全幅×全高(mm) 3109×1377×1335
ホイールベース(mm) 1840
トレッド(mm) 1142/1203(前/後)
車両重量(kg) 600
エンジン種類 空冷直列2気筒OHV
総排気量(cc) 652
内径×行程(mm) 77×70
圧縮比 8:1
最高出力(ps/rpm) 17.6/4500
最大トルク(kg-m/rpm) 4.2/3000
ブレーキ 前後ともドラム
タイヤサイズ 前後とも135SR12

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【4】へ続く

初出:ハチマルヒーロー vol.044 2017年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1995年式 FIAT 126(全5記事)

TEXT : HIROMI TAKEDA/武田 公実 PHOTO : MASAMI SATO/佐藤正巳

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