黄色ナンバーのフィアット【2】ポーランドで生産され続けた126|2000年式 フィアット 126 マルチ

1970年代生まれであることを感じさせるリアビュー

【2000年式 FIAT 126 Vol.2】

【画像17枚】シートは堅固な作りで、掛け心地やホールドは見た目以上。ただしリクライニング機能はなく、後席に乗る際のアクセスはシート全体を前傾させる

旧ソ連製の設計を譲り受けた中型車やオリジナル設計の小型車「シレーナ」などを生産していたポルスキ・フィアット。

しかし60年代を迎えると、特に西側諸国のクルマとの技術格差は明白。そこで、この時代にも旧東側諸国とのかかわりが深かったフィアット社とポーランド人民共和国政府が提携契約を結び、FSOがフィアットの中型セダン「125」を「ポルスキ・フィアット125P」として65年から生産開始。

そして73年からは「ポルスキ・フィアット126P」もFSMによるノックダウン生産も始まった。

この時代のポーランド政府は、旧東側諸国への輸出も意識しており、仕向地によっては「ザスタヴァ126」名も名乗った126Pは、この時代の東側のモデルの例に漏れず長寿を誇るとともに、時代を経て進化を遂げてゆくことになる。

まず85年には内外装にフェイスリフトを受けて、前後バンパーが大型化。さらに87年にはフィアット500以来となる直列2気筒OHVエンジンを水冷化して横倒しとしたことで稼いだスペースに、利便性の高い荷室とハッチゲートを設けた「126bis」も追加される。


>>黒いスチールホイールに、シルバー塗装された樹脂製ホイールキャップの組み合わせ。これもハチマル時代っぽくて、なかなか微笑ましく感じられる。


FIAT 126 ※スペックは初期型のものです。
主要諸元 Specifications

全長×全幅×全高(mm) 3109×1377×1335
ホイールベース(mm) 1840
トレッド(mm) 1142/1203(前/後)
車両重量(kg) 600
エンジン種類 空冷直列2気筒OHV
総排気量(cc) 652
内径×行程(mm) 77×70
圧縮比 8:1
最高出力(ps/rpm) 17.6/4500
最大トルク(kg-m/rpm) 4.2/3000
ブレーキ 前後ともドラム
タイヤサイズ 前後とも135SR12

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【3】へ続く

初出:ハチマルヒーロー vol.044 2017年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1995年式 FIAT 126(全5記事)

TEXT : HIROMI TAKEDA/武田 公実 PHOTO : MASAMI SATO/佐藤正巳

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