密着連載 柴田自動車の今 第20回|本気のタイムアタッカーにもシバかれるシバタイヤ

ブラックバード号&シバタイヤ

       
今シーズンでは参戦をD1GPに絞り込み、プロドリフトでも昨年に続き勝ち星をめざすシバタイヤ。その前哨戦ともいえるタイラウンドでは幸先のいいスタートが切れた。そしてもうひとつの柱となるべくアジャイル(俊敏)にタイヤ開発を進めているのがタイムアタック界隈だ。並み居るサーキットアタッカーが指標とするイベント「Attach」にも注力している。

Attack Tukuba2024

>> 冠スポンサーとして密接な関係がスタートした柴田自動車とAttack。当日はコウダイ選手のD1GP号もアタック。デフこそ筑波に合わせたものの、その他仕様がアジャストしてない前提での走行だったが、GTウイングがダウンフォースに負け破壊され、ブレーキローターが割れるなど、今後取り組むべき課題も見えた。


Attack TSUKUBA 2024 筑波タイムアタックにおいてラジアル史上最速を達成

 「ユーザーとともに歩み、育つタイヤ」を標榜しているのがシバタイヤだ。2021年1月のブランド立ち上げ以来、その軸はまったくブレなく事業の芯となっている。
 コウダイ選手の育ての親でもある柴田自動車・柴田達寛代表。互いの人生を賭けた夢を共有するためプロドリフト参戦を決意したものの、タイヤ調達にかかる費用のあまりのコストプッシュから「これは自社でタイヤを作るしかない!」とのコロンブスの卵的発想力は、今聞いても伝説級だ。その行動力が、中国レイダンとの縁を引き寄せた。動いた先に答えが待っていたのだ。
 それからは試行錯誤の製品開発に没頭。SNSを通じて当初から草の根アスリートドライバーと1on1コミュニケーションを密にしていた柴田代表。全国のサーキットでシゴかれ、シバかれ急速に性能を磨いていった。マニアックなサイズ展開、同一パターンに用途に合わせたマルチTW(トレッドウェア)というシバタイヤならではの新発想も、すっかり定着した。
 その性能の実証としてD1GP2023第4戦筑波ラウンドでは見事総合優勝。国内より早く開幕するD1GPタイラウンドでは開幕戦で追走優勝、第2戦では単走優勝という世界にその名を知らしめる滑り出しとなった。名門RE雨宮とのタッグも発表されたように、誉れある実績を背景に、シバタイヤサポートドライバーも増加の一途。
 こうしたドリフト界で急速にシェア伸長をしている傍らで取り組んでいるのが、タイムアタックタイヤの開発だ。数多く開催されているサーキットイベントにおいて、柴田代表が注力しているのが「Attach」だ。筑波サーキットをホームとして東北(スポーツランドSUGO)や岡山ラウンドも展開する、アスリートドライバーにとって憧れのステージだ。
 Attachの主催・青木大輔さんと柴田代表が意気投合。未来のタイムアタックタイヤを共に作るという夢に賭けることとなった。具体的には、新トレッドパターン「R31」をベースとしたタイムアタックに特化した新コンパウンド「200R」という勝負タイヤの開発だ。
 2月17日に開催されたAttachTSUKUBA2024では、青木さんのFDに完成したての265/35R18を装着。期待のかかるアタックだったがわずかにオイル痕に乗ってしまい当日ベストは55秒587にとどまった。
 しかし目標としていた54秒台突入は、思いのほか早期にかなうことになった。3月5日には295/35R18サイズを装着、54秒443というラジアルタイヤ史上最速のタイムを刻むことができたのである。

AttachTSUKUBA2024

>>したたかに狙った筑波54秒台! 295幅へサイズアップし、面圧を上げれば54秒台に突入できるという緻密な演算のもとアタックに挑戦。

AttachTSUKUBA2024

>>テスターを務めるサカモトエンジニアリング坂本宏樹代表。鈴鹿、富士などタイヤに厳しいサーキットで実走を担当。ライフとグリップの最適解を探求する。

AttachTSUKUBA2024

>>Attack青木代表(右)とコウダイ選手。10年後を見据えチューニング界の正常進化と後進へクルマ遊びの楽しさを啓蒙している。


AttachTSUKUBA2024
AttachTSUKUBA2024

>>レジェンドドライバーも多数参戦するAttack。柴田自動車アンバサダーの谷口信輝選手の姿も。中央はAttack青木代表が推す、茨城県稲敷市のキャラクター「いなのすけ」だ。

N2dでのシバタイヤ
N2dでのシバタイヤ
N2dでのシバタイヤ
N2dでのシバタイヤ

>>ガチ勢クラシックポルシェに最適化したアタックタイヤを共同開発。Attack TSUKUBA 2024とちょうど同時期に行われていたのがN2d。柴田自動車ブースに鎮座していたのは、かの有名な「ブラックバード号」。ポルシェ930ターボオーナーとして超有名な菅野大介さんのマシンだ。アイドラーズでも数度の優勝経験もある菅野さんもシバタイヤを鍛えるメンバーに加入。3月10日には「200R」を履き、筑波12周のスプリントレースでいきなりの準優勝! ポルシェ界隈でもヒットの予感だ。


シバタイヤは既存のタイヤメーカーには無い、旧車、ハチマル車でも履くことのできるサイズのタイヤが揃っています。
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text : Kiyoshi Hatazawa/畑澤清志 photo : Makoto Inoue/井上 誠 Reo Nakamura 中村レオ Jun Furukawa/古川 純 cooperation : 柴田自動車株式会社 シバタイヤ事業部 https://shibatire.com/

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