その一方で、相変わらずジャパニーズ旧車の出展車両も多く、彼の地におけるビンテージ・カスタムに向けられたどんよくなまでのモチベーションを印象づけた。
また、パーツ類の見本市というSEMAショー本来の視点に立つと、今後日本の旧車シーンでも注目されるであろう、さまざまな新作パーツもお披露目された。その一例を示すと、ターボスマート社が発表した電動ウエイストゲート&ブローオフバルブは、ターボチューンの幅を広げるアイテムとして注目されるに違いない。
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66年式│ダットサン フェアレディサスペンションメーカーであるフォーチュンオートのブースに展示されたのは、バージニア州にあるJapanese Classics LLCが製作したダットサン フェアレディ。S15シルビアのオーテックバージョンに搭載されていたSR20DE型を搭載し、ボディカラーも同じくR31スカイラインのオーテックバージョンをベースとしたオリジナルのグリーンでペイント。カスタムの4リンクリアサスペンションを備え、ホイールはモダンクラシックなワークEquip 40を装着。内装もフルカスタムされ、スピードスター風の60sレーサースタイルを再現した。
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73年式│トヨタセリカホットロッドの雄、エーデルブロックのブースに飾られたのは「TOKYO TRANS AM」と名付けられたニッポン旧車! カナダのJHレストレーションズが手がけたダルマセリカは、5.7ℓのLS型V8を搭載し、エーデルブロックのシリンダーヘッドやカムシャフト、フューエルインジェクションなどを装備。トランスミッションは日産370Z用の6速MTを組み合わせている。
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トヨタスターレットエクセディのブースに展示されたのは、ミシガン州にあるホースパワーテックスが製作したタイムアタック仕様のKP61スターレット。エンジンはホンダS2000用のF20型ターボに換装されている。シャシーマウントのウイングや大型リアディフューザーなど、昨今のトレンドを取り入れたエアロメイクを実施。
>> OS技研のブースでは、トヨタ86のデモカーのほか、昨年もお披露目した7速シーケンシャルミッションなどを展示していた。
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68年式│ホンダS800クーペ香港の有名俳優であるダニエル・ウーさんがプロデュースしたホンダS800クーペ。フロントのエアダム、フェンダーフレア、ダックテールスポイラーからなるパンデムのカスタムボディキットを備え、ホイールは13インチの純正をベースにフロント7.0J、リア8.0Jへとリバレル。エンジンはノーマルをオーバーホールし、センター2本出しレイアウトとなるGReddyのカスタムエキゾーストを備える。
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日産スカイラインHT 2000GT多くのチューンド旧車が並ぶトーヨー・トレッドパスのエリアには、左ハンドルにコンバートされたハコスカが登場。エンジンはアリストから移植した2JZ型ターボに換装されており、吸排気にはヴァイブラントのチタンパイプが使用されている。リアサスにプッシュロッドを採用したり、円筒形のステンレス燃料タンクを使ったりと、自由な発想でカスタマイズ。
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ダットサン1200生粋のジャパン旧車フリークであるロブ・ファーガソンさんが製作したB110サニークーペ。実はガールフレンドのクルマなのだが、パンデムのフェンダーフレアとフロントリップ、TSスタイルにオマージュを捧げるリアウイングを備え、クラシックレーサーへと変身。フォーミュラDのエンジンも手がけるブルームーン・パフォーマンスが組んだA12型には、ビレットのバルブカバーを装着。
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ダットサン240Zサンディエゴにあるプロショップ、オートファッションUSAが製作したZは、スピードフォルム製のロングノーズセットとオーバーフェンダーを装着。フロントバンパーはFRPの上からウエットカーボンで覆うひと手間を加えた。ホイールは17インチのワークマイスターM1。L型エンジンにはジェンビーのITB、カスタムメイドのスワールポット、タックドラジエーターなどを備える。
【3】に続く初出:ノスタルジックスピード 2020年 2月号 vol.23
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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