「いたずらっ子」の軽自動車コレクション。旧車から最新車までがズラリ。そしてポルシェたちも|酒蔵の中の軽自動車【2】

もともとポルシェのディーラーのメカニックをしていたほどで、ポルシェへの愛情も相当強い。酒蔵には、ポルシェ912をはじめ貴重なポルシェが納まる一角も存在する。これだけ強烈な個性を示すポルシェさえも隅においやるほどオーナーの軽自動車群は強烈な印象を残している

古い街道沿いには決まって、大きな造り酒屋があるものである。国道9号線は京都から日本海側に通じる古くは山陰道、京都から下関までを結ぶ国道である。その途中に看過できない酒蔵がある。

【酒蔵の中の軽自動車 vol.2】

 軽自動車は、その存在自体がコレクションの対象としての性格が薄く、しっかり日常に根ざして使い込むクルマであることが多い。もちろんハチマルの時代にはバブルの勢いを駆って登場したスポーツカーや生産数が少ない希少車も数多く存在する。

 ただこのコレクションはちょっと違う。普通に売られていた軽自動車を自身のカスタマイズを施している。その方向性が「いたずらっ子が他人を驚かせようとたくらんでいる」ようなクルマばかりなのである。

 もちろん、どれも素材のパフォーマンスを生かした素晴らしいクルマばかり。お父様が新車購入したスバル360が典型的で、このクルマの弱点であるリアウインドーなどはキレイにレストアされているものの、当時の姿に戻すわけでもなく、ボンネットの真ん中にはポルシェのエンブレムが付いているような遊び心満載な状態。

 しかも旧車、ハチマル車だけでなく、最新のアルトターボRSまで存在する。「増えることがあっても減ることが少なくて」と笑うオーナー。酒蔵が軽自動車で一杯になる日も遠くない。

【画像24枚】自身のカスタマイズが施された軽自動車のコレクションは、旧車やハチマル車だけではなく、最新のクルマにまで及ぶ


>>上記のように酒蔵にずらりと並んだ軽自動車の数々。ノーマルのクルマはアルトターボRSだけで、すべて何かしらオーナーの手が入った軽自動車。不思議な空間だ。


>>父親が新車で購入したスバル360もずっとここに保管されている。現在は比較的交通量の少ない時間にドライブに出る程度だという。父親は小さいクルマが一番と、メインのクルマとしてアルトターボRSを使っている。


>>カプチーノはチューニングを施していて、テスター計測値で100psに迫る出力に強化されているという。あるエンスージアストはこのクルマに乗って、ケーターハム・セブン160の購入を決めたのだという。
 



【1】から続く


初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

酒蔵の中の軽自動車(全2記事)

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text:Kentaro Nakagomi/中込健太郎

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