スポーツカー史上有数のロングセラー【4】スーパーカーへと完全進化したロータス|1991年式 ロータス エスプリSE|ハチマルユーロー

265psを発生する直列4気筒16Vターボエンジン

       
スーパーカーへと完全進化したロータス

ジウジアーロ時代の先鋭的なデザインを放棄し、より穏当になったロータス・エスプリ。
総計28年もの長寿をもたらすことになったエレガントなスタイリングは、映画「プリティウーマン」や「氷の微笑」で名演するアイドル性をも帯びていた。

【1991年式 ロータス エスプリSE Vol.4】

【3】から続く

 そして1990年になると、電子制御マルチポイント式インジェクションを装備し265ps/36.0kg‐mを発揮するターボSEに進化したのだ。
 SE誕生の時点で、すでに正式発売から15年を経ていたエスプリだが、1993年デビューのS4を端緒に「ニューシェイプ2」へと再び進化する。S4ではルーフ後端に設置されていたリアウイングは、リアに移動。17インチに拡大されたホイールなどで、1990年代風のアピアランスを得た。

 さらに1996年には、当時の親会社であるブガッティが設計した3.5L V型8気筒ツインターボを搭載した「エスプリV8」もデビューするが、一方4気筒エスプリも同じ年にファイナルバージョンたる「GT3」へと進化。1999年まで生産されることになった。その後V8系のみの体制となったエスプリは、2003〜04年に限定生産された「V8アニバーサリー」を最後に、28年という長きに渡るの生産期間に終止符を打った。つまりは結果として、モーガン4/4や空冷時代のポルシェ911に次ぐ、スポーツカー史上有数のロングセラーとなったのである。

>> 【画像22枚】エンジンルーム背後に用意される、ちょっとした手荷物程度ならば収納できる「ブート」など




>> エンジンはフルカバーされたうえで、さらにリアウインドー下に置かれる。


OWNER’S VOICE



英国ロータスカーズで結婚式をあげたほどのロータスマニア。現在、クラブロータス九州の会長を務め、ロータス漬けの生活を送る。





1991年式 ロータス エスプリ SE


SPECIFICATIONS 諸元
●全長×全幅×全高(mm) 4331×1859×1151
●ホイールベース(mm) 2458
●トレッド(mm) 1524/1554(前/後)
●車両重量(kg) 1300
●エンジン種類 直列4気筒DOHC 16バルブターボ
●総排気量(cc) 2174
●ボア×ストローク(mm) 95.3×76.2
●圧縮比 8.0:1
●最高出力(ps/rpm) 265/6500
●最大トルク(kg-m/rpm) 36/3900
●サスペンション ダブルウイッシュボーン/トレーリングアーム(前/後)
●タイヤサイズ F215/50ZR15 R245/50ZR16(標準の場合)


初出:ハチマルヒーロー 2016年 3月号 vol.34
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1991年式 ロータス エスプリSE(全3記事)

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【1】【2】【3】から続く

text : HIROMI TAKEDA/武田公実 photo : KIYOSHI NISHINO/西野キヨシ

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