親子亀三輪トラック!?【2】ミゼットを荷台から簡単に下ろすことができない、その理由|1972年式 ダイハツ CM8 + 1959年式 ダイハツ ミゼット MP3

この位置から見ると荷台が底上げされ、高い位置で固定されているのがわかる。これを載せたり降ろしたりするには、かなりの労力が必要。ボディは目立つように、純正のボディカラーよりかなり明るめの薄緑にオールペイントされている

       

親子亀三輪トラック!?

三輪トラックでさえなかなか見かけないこのご時世。珍しいCM8が登場……。ん? 荷台にミゼット? 九州方面で話題騒然の親子亀三輪トラックの登場だ!

【1】から続く

【 1972年式 ダイハツ CM8 + 1959年式 ダイハツ ミゼット MP3 Vol.2】

 オーナーに話を聞いてみると、これは苦肉の作だったという。自身が持っている自慢のCM8とミゼットMP3、両方見せたいが、体は1つしかないためどちらか1台しか乗って行くことはできない。そんな葛藤の中で生まれたのが、ミゼットを荷台に載せるという親子亀状態だった。

 もちろん今回が初めてのイベントの参加というわけではなく、九州内の旧車イベントではもう有名人の一人と言っても過言ではないオーナー。

 問題はイベント主催者に2台と認識されてしまうことだったが、どのイベント主催者も親切で、快くこの状態での参加、展示を許してくれたという。

 この親子亀だが、単に荷台に載せているわけではない。背が高い三輪トラックにそのまま載せていたら、ミゼットの姿は半分近く隠れてしまう。小さな子供の視点からはなおさらだ。
 そこでオーナーは、ただ荷台に載せるのではなく、底上げし、かなり荷台の底より高い位置にミゼットを載せて固定している。この仕掛けによってミゼットの姿はそのタイヤの部分までしっかりとギャラリーに見てもらうことができるようになっているのだ。

 ただ残念なことに、これだけの大掛かりな仕掛けをしてしまったために、ミゼットを荷台から簡単に下ろすことができなくなってしまい。展示は常に親子亀状態となってしまっている。もちろんミゼットはキチンと整備されており、エンジンも好調。実は色も荷台展示仕様となっており、通常のミゼットより明るい薄緑を使用して、よく見えるようにしてあるとか。

 ただの旧車乗りではなく、エンターテイナーのオーナーなのである。


>> 【画像10枚】なんと言っても後ろ姿が秀逸。カメラは下からあおるように撮っているが、それでもミゼットのボディは全部見えているので、荷台の底よりかなり高い位置に固定されているのがわかるショットなど



>> 数カ月で生産中止になったMP2に代わり登場したMP3だったが、これも2年たらずでMP4へモデルチェンジ。生産台数の少ないMP3はかなり希少。この個体はフルレストアされており、内装も明るい色にオールペイントされている。(1959年式 ダイハツ ミゼット MP3)





>> 荷台もキレイにレストア。MP4と比べ約200mm、MP5に比べて300mmも全長が短いためCM8の荷台に収まっている。(1959年式 ダイハツ ミゼット MP3)



OWNER’S VOICE


 オート三輪好きのオーナーはMP3の他にもMP5を2台所有。こちらはCM8の荷台に載らないので、その座をMP3にゆだねているという。CM8はもともとみかん園で使っていたが、一度手放してしまった。しかし手放した直後にまた欲しくなり、購入したものだという。


初出:ノスタルジックヒーロー 2017年8月号 Vol.182
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 ダイハツ CM8 + 1959年式 ダイハツ ミゼット MP3(全2記事)

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【1】から続く

text:NOSTALGIC HERO/編集部 photo:KIYOSHI NISHINO/西野キヨシ

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