【零戦スカイライン】夕焼け空の元、零戦強襲!

Base Car:1997年型 スカイライン(R33)

       
正式名称「零式艦上戦闘機」はご存じのとおり、「零戦」と呼ばれる第二次世界大戦期における日本海軍の艦上戦闘機。マニアの間で根強い人気を誇り、これまでもカスタムカーのモチーフとしても取り入れられてきた。零戦スカイラインのオーナーもそんな零戦ラバーのひとり。小学校時代に遠足で、特攻隊の出撃基地があった知覧にある知覧特攻平和会館へ何度も通う中で、零戦への思いを募らせていたそうだ。

 で、零戦好きだったら「飛んでいる姿を見たい! 乗りたい!」と思うのは当然のコト。がしかし、オーナーは高所恐怖症(汗)で、飛行機は完全NG。てなワケで、「安全なクルマで零戦を再現(笑)」と決意。丸いフォルムが零戦っぽい、33をベースにチョイスし、零戦スカイラインの製作をスタートした。



 モチーフは太平洋戦争中盤に登場し、特攻機としても使用された五二型で、
「中島製」と呼ばれる機体色に近い塗料を調合しオールペン。



 質感を出すため、ボディのエッジすべてに黒でエアブラシ塗装済み。また、零戦の塗装は1回だけで、戦いに行くほど塗装が剥げてアルミボディがむき出しになる。そこで、スポンジを使い、シルバーのウェザリング塗装でむき出しのアルミボディを表現。さらに戦闘で弾丸を受けて損傷した部分は、鉄板を貼り修復していた当時の手法を踏襲。加えて約2600本のビスをボディに打ち込む気合いのカスタムで、五二型の外装の雰囲気を再現!鉄板オンリーのパネルにアルミむき出しシートを合わせ、零戦のコックピットさながらの仕上がりのインテリアも圧巻だ!



 生足ロワード&ワイド化で、マイナスオフセットのリムをくわえ込むスタンスも迫力十分! 内外装に零戦愛がほとばしる、コンバットスタイルが完成させている。

【画像13枚】こんなモノが作れる人がいるのか!?リアルすぎる零戦クルマの全貌はこちら!



>>驚くなかれ、市場では希少価値が上がり続けるスカイラインにビスを打ち込むこと、2600回!戦闘機のような流線型を再現すべく、リアウイングはシェイブし、戦闘機を突貫補修したような”後付け鉄板風”の処理を施す。出撃回数が多くなる→零戦の塗装がはがれアルミ素地が出てくる→ベテランの証。だったということで、この”アルミ感”もペイントワークで再現されている。テイン車高調に326パワー・マジバネのフロント2kg、リア50kgをセット。イケアフォーミュラ製フロントアッパーリングで、キャンバーをフロント6度、リア8度に設定。アルミシートでも、1時間くらいの運転に耐えれたらしい(笑)。



>>アクリルで自作した照準プレート、ギター用エフェクターを代用した無線機、アルミむき出しのワンオフシートなど手が込んでいるが、よりリアルさを目指し、これらは零戦と同じデザインでワンオフ製作宙だとか!


初出:カスタムCAR 2021年2月号 Vol.508

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

Base Car:1997年型 スカイライン(R33)
協力:カーメーキング ガレージシャウト  ガレージVL
Special Thanks:亜細亜自動車

PHOTO / 内藤正美 TEXT / くしはしてつこ

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