【ビーチの視線を独り占め間違いなし?】ホンダが誇る珍車、時を超え海グルマに大変身!!

       
クリエイティブで自由な空気に包まれていた’60年代では、ヨーロッパを中心にビーチリゾートの足としてビーチカーなるものを自動車メーカーが本気で作っていたという。“水着のままで移動する手段”という超開放的なコンセプトは、現代の車では想像できない世界観。しかし、そんな陽気過ぎるビーチカーを令和時代の今、極上クオリティで送り出したのが、軽バンリフトアップのパイオニア、フォレストオートだ。



ベースとなるのはオープンデッキボディが特徴で、今もコアなファンに愛される珍車バモスホンダ。屋根もドアもないオープンエアなボディこそ、長年ビーチーカー構想を練り続けていた戸森社長のコンセプトを実現するのには欠かせない素材だった。そんなバモスホンダの極上個体が縁あって手に入り、カスタムはスタートした。

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最大の特徴となるフロアのウッドデッキは、’60年代のモーターヨットをイメージ。ウッドデッキは埼玉の『さんとめ地域』の『さんとめ材』を活用してオーダー家具を製造する高村クラフト工房が製作を担当。昨年、千葉を襲った台風でフォレストオートが被災し、倒木による長期停電を経験。山の荒廃を痛感していたときに、地域材を活用している高村工房の木工職人と出会ったことがきっかけとなり、さんとめ材を使ったこのウッドデッキが誕生した。そのため“山で生まれたビーチカー”も隠れたコンセプトだ。



ミッドシップレイアウトの車体に合わせ、エンジンのメンテナンスハッチも設けるなど実用性も十二分なカスタムは、本物の家具職人による熟練の技が垣間見れるポイント。また、デッキサイドを取り囲むように追加したサイドとリアゲート内側のクッションは、フォレストオートが型を合板で製作し、ウレタンを仕込だ逸品。ウッドとアイボリーレザーのコントラストで、色使いもイメージ通りのモーターヨット風スタイルを完成させたのだ。

もちろんビーチカーというコンセプトから、砂浜も走れるスタイリング作りは当然の成り行き。そのため足回りはバモスホンダ用にワンオフしたスプリングで30㎜のリフトアップ。さらにマキシスのATV用タイヤを合わせ、オフロード走破性をプラス。軽バン・軽トラの実用的リフトアップを手がけるフォレストオートらしい車高を実現した。



ベースからカスタムまで純国産仕上げながらも、どこか異国情緒あふれる陽気なスタイリング。夏の海辺に持ち込めば、南欧ビーチリゾート気分が味わえるかも!?

【『カスタムCAR』2020年4月号掲載】
BASE CAR:バモスホンダ 1971年型
SOURCE:フォレストオートファクトリー
SPECIAL THANKS/高村クラフト工房

PHOTO/佐藤亮太 TEXT/渡邊大輔

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