予科練・誉丸 デコトラの伝統を継承した高潔なスタイル

フラットなフィニッシュで仕事車らしさを感じさせるリアセクション。リアアオリの切り文字や泥除けの打ち出し模様など、ディテールの完成度もピカイチだ。

       


多くのアートトラッカーが憧れる伝統的なスタイルがある。デコトラの祖ともいわれる東北鮮魚便アートだ。その起源は映画『トラック野郎』シリーズ以前にまでさかのぼる。そんないにしえのスタイルを見事に再現し、さらにオリジナリティにあふれるアレンジを加えた秀作車をご紹介しよう。

特徴的なのがシートキャリア、ミラーステー、ハシゴの3つのパーツ。丸パイプを巧みに加工し、唐草模様や丸リングを芸術的に織り込んで造形されている。これらのパーツを手がけたのは、その昔東北アートを支えた名工である仙南ボデー。まさに当時のDNAを今に受け継いだ由緒正しいパーツなのだ。 さらに、貴重なフロントバンパーが奢られている。バスバンパーのコピーとして山田車体が製作したウロコステンレスの逸品は、今ではほとんど目にすることができないレアパーツだ。丸アンドンとコーナーフォグランプを投入することで、当時のトレンドをみごとに再現しているのも特筆もの。しかも、このコーナーフォグランプは乗用車用に製作された小型タイプで、生産量が非常に少ない激レアのお宝パーツなのだ。

秀逸なレトロスタイルを構築したキャブにマッチするよう、ボディも特注で製作されている。ダイヤ工業が腕を振るった造りボディは、鉄と木を使って当時のボディを忠実に再現。また、外観ばかりではなく実用性を兼ね備えていることもポイントで、重量のある鋼材を積んでもビクともしない堅牢さが特長だ。

【写真6点】東北鮮魚便アートが源。

カミオン2009年12月号トップアートをもとに再構成

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