旭神丸 「整然とカッコよく」をテーマに精密かつ華麗なアートを展開

リア観音扉のペイントは、雄渾な筆致と繊細な色彩が光る秀作。12発の丸テールを整然と並べたリア下周りもお見逃しなく。

       


北海道旭川市にある「北斗工芸」敏腕職人の愛車は、北斗工芸の技術力の高さを周囲に知らしめるべく製作したデモ車的存在。’02年に一度「TOP ART」に登場を果たしたが、その後も着実にアートアップを重ね続けてきた美麗ダブルキャブ車だ。

「以前、千葉に住んでいたころに、椎名急送のクルマにカルチャーショックを受けて、自分もいつかこういう整然とカッコいいクルマを作る! と決意したんです」。特筆すべきは、トータルバランスの美しさだ。胴が短くみえがちなWキャブ車のウイークポイントを回避すべく、キャブのリアドア部分に角パイプのハシゴを装着するほか、箱の最前部にはボディハシゴをコンビネーションして、箱が長くみえるよう配慮している。

また、荷台はもともと平ボディだったものを、高くなり過ぎないようオーナーが絶妙の寸法で箱化したもので、上半分に波板を施すことにより、横幅を助長しつつウイング車風の装いを実現。本モノのバスロケットを載せた雄姿は、ツウなアートファンを魅了すること請け合いだ。

一方、薄型バイザーや菱形棒チップをあしらったミラーステーをはじめ、伝統的な関東風スタイルを彷彿とさせる秀作パーツ群も注目どころ。フロントからリアへと一直線に流れるバンパーラインも見応え十分だ。なお、アオリに刻んだ「北郷浪漫街道」(すずき文字)を除くペイントは、すべて北斗工芸がセルフメイク。大胆に「荒波+魚」を描いたリアペイントはデモ車として十分な宣伝効果を挙げている。

【写真6点】北斗工芸の美麗車。

カミオン2009年6月号トップアートをもとに再構成

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