健志丸 デコトラの流儀を守りつつモダンアートを積極導入!

リア観音扉には「対峙する若武者と龍」を活写したペイントが描かれる。

       


もともと九州出身のオーナーは、アートの絆を大切にしているだけに、大阪の地に居を移した今も熊肥会のアンドンを守り続けている。その愛車はかつて九州で乗っていたキャラバンの飾りを引き継ぎ、新たにハンドメイドしたパーツを織り交ぜて見応えあるスタイルを構築している。

トップパートはキャラバンで使用していた飾りをそのまま移植。舟型の造形を箱前面に設置し、メインアンドンを中心に豪華に飾り上げている。アートキャリアとともに歩んできた貴重なパーツが並んでいるが、なかでも10数年前のハートマーカーはマニア垂涎のレアアイテムだ。

舟型のデザインはバイザーにも採用され、統一感を巧みに演出。バイザー上には4本のロケットを搭載し、見応えアップに余念がない。また、角おこしパイプ2本仕様のミラーステーは、2本の丸パイプと棒チップが繊細な造形美を生み出したオリジナリティあふれる逸品だ。さらにミラーステーのブレ留めに6角筒出しステンレスを6連で装備。

昔のパーツをうまく使いながら、モダンアートのエッセンスを積極的に取り入れている。キャブボトムにはラッセル戻しバンパーを採用。中山工芸の色鮮やかなアンドンをフィーチャーし、トップパートに負けない華やかさを披露する。 そして、このクルマのアート度を引き上げているのが、ドアとリア観音扉に入れられたペイントだ。アンドンと同じく中山工芸が筆を執った作品は、躍動感あふれる秀作ぞろい。モノトーンとしたことが、より一層その存在感を強調している。 九州の歴史あるクラブの看板を守り続けるベテランは、関西近辺のイベント会場へ精力的に駆け付け、ファンの目を大いに楽しませている。

【写真6点】ハンドメイドしたパーツを織り交ぜて見応えあるスタイル。

カミオン2010年5月号トップアートをもとに再構成

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