乱鬼丸 二大名工の技と粋が随所に光る美麗なウイング仕事車!

葛飾北斎の名画『弘法大師修法図』(西新井大師所蔵)をモチーフにしたリア観音扉のペイント。

       


かつて平ボディで一世を風靡した関東乱鬼丸船団会長を務めるオーナーが、今度は箱車をベースにハイセンス&ハイクオリティな傑作車を作り上げた。各種ワンオフパーツの工作精度はもちろん、パーツの装着角度、ペイントを含めたカラーバランス、そして美しいシルエットにこだわった1台だ。

パーツ製作を担当したのは、業界随一の鏡面加工・溶接技術を誇るステンレスアート共栄。オーナーが全幅の信頼を寄せる名工の技は、この箱車でも惜しみなく発揮されている。

2mmという薄手の鏡面で「折R加工」を施したキャデラックバンパーをはじめ、ベースフォルムと一体化を図りながらも装着時に地面と並行になるよう型から起したバイザー、一直線なボトムラインを実現したバンパー+フェンダーなど、ミリ単位の精度を追求したワンオフパーツ群は、溶接一つを取ってもほれぼれするほどの完成度を実現。超ロングサイズの特注ビッグホーンや日野4Dのシャッターグリルなど、ディテールに採用した個性派アイテム群とのコンビネーションも申し分なく、目の肥えたアートファンを楽しませることに成功している。

一方、各種ペイントとアンドンを手がけたのは、実力派の岩井看板店。グラデーションカラーで仕上げたウイングの欧文や、ゴールドアクリルの切り文字を組み合わせて重厚感を演出したナイトシチュエーションの「波絵」、絵画に精通するオーナーが「浮世絵画家のフェイバリット」と語る葛飾北斎の名画『弘法大師修法図』(西新井大師所蔵)をモチーフにしたリア観音扉のペイントなど、荷台セクションには見どころが目白押し。芸術性、完成度、トータルバランスの3拍子をそろえた、「不世出」と呼ぶにふさわしい美麗アート車だ。

【写真6点】ハイセンス&ハイクオリティな傑作パーツ。

カミオン2010年10月号トップアートをもとに再構成

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