大量輸送の理想と規制の狭間に揺れた特殊車・ダンプトレーラ進化論【後編その1】

時代の流れとともに規制によって姿を消した土砂運搬のダンプトレーラだが、四半世紀以上にわたる土砂禁止の規制から解放。輸送効率の観点からも注目を集めるダンプトレーラの魅力にさまざまな角度から迫った特集を前編と後編に分けて紹介。

       

V10機関絶好調の410PSは今なお健在!

ダンプ仕事のみならずプラント事業や請負業など幅広い分野で活躍する山本商会で、長く大切に保有されている幻の名車・日野HEダンプトレーラ。昭和53年に新車で導入して以来数々の歴史を刻んできた思い入れたっぷりの仕事車だ。


金剛製作所製の舟底タイプのトレーラは、昭和49年式とヘッドよりも4年古いもの。全体を覆うサビが40年近くの歴史を感じさせる。

この貴重なダンプトレーラを’13年にフルレストアさせる計画が進行中とのこと。当時より焼き込まれてきた煙突マフラーや、いすゞシャシーに載せた金剛製作所製のベッセルも美しく架修する予定で、昭和50年代初期の新車納入時のムードがよみがえるであろう。


プロフィアのレギュラーダンプとともに定位置に停車するHEダンプトレーラ。プロフィアヘッドの中低床台車も所有し建機輸送なども手がける。

基本的にイメージを崩すことなくオリジナルに仕上げるとのことで、翌年初夏に長野県で行われるチャリティ撮影会でレストア後の姿をお披露目したいとのこと。なかなか見ることのできない貴重な車両の再デビューが楽しみだ。


マニホールドからストレートの部分にジャバラを配し、むき出しのタイコを抱える煙突マフラー。レインキャップの付いた先端からはV10の独特なサウンドを響かせる。

【写真8点】街道をにぎわす平成のダンプトレーラたち(その1)。

2013年1月号トレーラ特集をもとに再構成

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