「仕事で使えるレトロ風のスタイルを目指しました」というこのクルマは、全身に魅力と見どころが過積載。キャブ周りで異彩を放つキャデラックバンパーやシートキャリアなど、プラティアが手腕を振るった大型パーツ類は、そのレトロムード漂うフォルムが秀逸至極だ。
また、菱型デザインをあしらった角パイプ仕様のハシゴには老舗のヤマダが約20年前に製作したという逸品を採用するなど、リアルなレトロパーツを巧みにセレクトしている。さらに、セドリックの330ヘッドライトやバスウインカー、手すりパイプ、丸アンドンなど、キャブ周りには古き良き時代を彷佛とさせるアイテムが目白押し。
平型バイザーの前面には通常タイプよりサイズが大きい配線盤用のパイロットランプを配置するなど、セオリーにとらわれないアイデアメイクも見応え十分だ。
なお、箱2面に名匠のすずき工芸が手腕を振るった“一寸法師の鯉退治”と“浮世絵”をモチーフにしたペイントを採用。一方、リア観音扉には、なんとオーナーの弟さんが筆を執ったという“赤鯉&黒鯉”のハンドメイド作品をコンビネーションする。このほかにもサイドバンパーに収めたアンドンの“波絵”を手がけるなど、希有な才能を発揮している。これぞアート車という絢爛豪華な装いは、全国のアートトラックファンを大いに満足させること間違いなしだ。
【写真8点】第4回カミオン大賞を受賞した今なお高品位スタイル。カミオン2008年8月号トップアートをもとに再構成