ベスト5 兄も彼女もそのまた兄もアートトラッカー 天馬号

彼女の実兄の日野レンジャーSDと同様に「全国めぐり」の文句を高く掲げる天馬号。

       


この車両も、ページの綴じ部分にキャブがかかり、せっかくのシートキャリアの全容が見られず残念な仕上がり。ブ厚いバンパーにはどでかく丸アンドンにニックの文字を刻む。

「仕事を始めて5年。いつもコメを積んで走ってるヨ。飾りが好きなのは兄貴もそうだし、彼女もそう……。毎月、ふたりしてそれぞれのトラックの飾りに給料の半分はつぎ込んでる」。

なにをかくそう、オーナーの実兄は、1984年12月号のベスト5で紹介した“お祭り小僧”。そして一緒に暮らしている彼女(21歳)もアートトラックの持ち主、さらに、その兄(26歳)は1984年11月号のベスト5で紹介した“街道の美学”だ。まさにアートトラックファミリーなのだ。

マーカーランプ類120個、アンドン10個、テールランプ9個。「全国めぐり」のユニークなアンドンをつけたシートキャリアやバンパーの周囲はさらにパイプフレームで飾り立てている。

これほど飾っていながら嫌味がないのは、メタリックな下地を作っているからだろう。

キャビンの中も見事にキメて運転しやすいキャビンになっている。

「かれこれ400万円はかかっているけど、まだやるつもりです。アンドンを増やし、そしてマーカーランプももっと付けたいな。アートトラックには、これで終わりということがないからね」。

今日も九州、中国地方を走る。

各所の写真はコチラから。

文:編集部 カミオン1985年3月号をもとに再構成

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