溺愛の果てに (STR8 AUTO WORKS × AUDI TT ROADSTER)

ちょっとくたびれた感のある2000年代前半生まれのユーロスポーツも、エアリフトのエアサスと最新のホイール、そしてディテールメイクにこだわれば、一線級のマシンに生まれ変われることを、ここに証明してみせよう。舞台は初代アウディTTロードスター。ありったけの愛情を注がれたユーロの美貌に、貴方の目は眩む。

       
オーナーのアキタツさんにとってアウディTTと言えば、初代の8Nしか眼中になかった。速さや先進性を求めるのなら2代目モデルの8J、もしくは最新の8Sが一歩も二歩も先を行くが、アキタツさんがTTに求めた最大の魅力“丸みのあるカタチ"だけは、初代8Nを買うことでしか得ることができなかったのだ。

 そして、彼がビルダーとして目をつけたのが、福島のストレートオートワークス。同社代表・岡崎サンが駆るE46/BMW M3の仕上げの良さに惚れ、「この店なら妥協ない一台を作ってくれる」と確信したからだ。その確信はベースカー選びの段階からモレなく発揮。日本未発売だった3.2ロードスターをアメリカから輸入し、この段階ですでに他車との差別化を鮮明にする。

 本誌的に自然と視線を向けてしまう足元には、ニュートレイルST5ホイールとエアリフトのエアサスを装着。ST5はダブルステップだったり、リバースマウントしたり、リムにクロームをかけるなど、凝りに凝った一品。エアサスもリアショックをBCレーシングのショートサイズに交換し、右前にのみCノッチ加工を施して、ポン付けでは到達できない低さの極限を獲得。オーナーが脳裏に描いた理想像のはるかナナメ上をいく一生ものの一台がここに誕生した。初代TTを溺愛するオーナーと、その愛情の深さに応えたストレートオートワークス。彼らが紡いだドラマの結末は、ハッピーエンドしかあり得ない。


OWNER:AKITATSU   BASE CAR:2004 AUDI TT ROADSTER 3.2 QUATTRO
EXTERIOR:AUDI GENUINE NARDO GRAY PAINT , FRONT GRILLE BLACK PAINT , NAVY TOP/TONNEAU COVER RE-UPHOLSTERY
WHEELS:NEUTRALE ST5(F=18×9.0 / R=18×10.0)   TIRES:MICHELIN PILOT SPORT 5(F=215/40-18 / R=245/35-18)
SUSPENSIONS:AIR LIFT AIR SUSPENSION/3P MANAGEMENT SYSTEM , REAR ARM , FRONT RIGHT SIDE C NOTCH CUSTOMIZED
TUNING:STRAIGHT CENTER PIPE 
INTERIOR:STEERING/SHIFT KNOB/SIDE BRAKE HANDLE/KNEE PAD RE-UPHOLSTERY , RECARO SPORTSTER RE-UPHOLSTERY


Source:ストレートオートワークス024-573-0739 
spl thanx:エアリフトパフォーマンスジャパン 


スタンス・マガジン#53(2022年10月号掲載)

photo:Hayato Tsuchiya text:Akio Sato(rsf)