SNSのおかげで復活! 「オーバーレブ!」から10年後を描く「クロスオーバーレブ!」|作者、山口かつみが語る制作秘話とは!? Vol.2

オーバーレブ! 連載時と大きく変わったのがデジタル化。現在すべての原稿はMacintoshにペンタブレットを接続し、3つのモニターを使って描かれている。「多数のレイヤーに分けて描き、それぞれで保存できるため、修正がとにかく楽です。あとこのように拡大して描けるので、細かいところも自由自在です。でもそのせいで、ついつい見えないところまで書き込んでしまうという無駄も増えましたが(笑)」と山口さん。

       
その後、オーバーレブ!  は快進撃を続け、数多く連載されていたクルマ漫画の中でもトップの売り上げを記録することに。キャラクターも主役グループ4人がしっかりと物語を支え、長期連載の条件も整えられた。

 「実はキャラクターの名前を付けるのが苦手で、登場人物の名前に身近な人の名前を付けることが多いのです」

 そんな山口さんの描く漫画にはアシスタントや担当編集、友人のプロ野球選手などの名前を数多く発見することができる。

 2004年にオーバーレブ! が人気が落ちないままに終了。実際にはまだまだ続けることができたのではという問いに対し

 「涼子も十分に成長しましたし、新しいことにも挑戦したかったので、終わるにはちょうどいい時期でした」

 オーバーレブ! 終了から15年。物語が復活することになりました。

 「ありがとうございます。これはひとえにSNSを中心に応援してくれた皆さんのおかげです。今回、漫画を描くにあたり数多くの方から資料を提供していただいたので、そのまま漫画に登場させてしまおうという試みも行っています。自分のクルマが漫画に登場するというのも一般の商業誌ではできないことなので、なかなか面白いのではないかと(笑)」


 オーバーレブ! から10年後の世界を描く「クロスオーバーレブ!」は秋田書店が運営する「マンガクロス」で連載中。

8月20日には単行本が発売され、早くも増刷がかかるほどの大人気だという。

Nosweb.jpでは新主人公とともにクロスオーバーレブ! を少しだけ紹介。こちらも注目だ。


山口さんが左手に持っているのがマウス。

これで表示場所を移動させながら右手で描く。

1つのコマで多数のレイヤーが重ねられているため、最初から全部書き直しという事態が起きない。

結果的に仕上げは早くなり、アシスタントも必要ない。仮にアシスタントが必要な場合でもデータのやりとりになるため、仕事場に来てもらうこともないという。



ファンの方を中心に写真からイラストを描くサービスも行っている。

価格は大きさによって変わるとのこと。

ちなみにセカンドベース上でガッツポーズしているのは松中信彦選手。

なお、ホークスの副島孔太、戸叶尚の両選手はオーバーレブ! に登場している。



ハチマルヒーロー 2019年 11月号 vol.56(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text : Hachimaru Hero/編集部 illustration : Katsumi Yamaguchi/山口かつみ

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