50台限定のGSR-VR【1】強心臓シリウスダッシュ3×2搭載のワイドボディ|1987年式 三菱 スタリオン 2000 ターボ GSR-VR

2リッターながら3ナンバーボディだった 2000 ターボ GSR-VR

       
【1987年式 三菱 スタリオン 2000 ターボ GSR-VR vol.1】

1980年代前半に「フルラインターボ」を掲げ、全車にターボエンジン搭載を計画した三菱。軽自動車のミニカからミドルクラスのギャラン系までターボモデルをラインナップし、当時のパワーウオーズを戦い抜いたことはみなさんもご存じのことだろう。そんな三菱が82年にリリースしたニューカマーがスタリオンだ。

スタリオンは、2ドアクーペのギャランΛ(ラムダ)の後継としてデビュー。しかしスタイリングは大きく異なり、リトラクタブルヘッドライトを採用したスラントノーズに、大きなガラスハッチを備えるハッチバックスタイルを採用。直線基調のシャープなフォルムは、スポーツカー的な要素が強いものだった。

デビュー当初に搭載されていたエンジンは、2L直列4気筒のG63B型。ターボと自然吸気が設定されていたが、約1年後に自然吸気は消滅。そして84年には、可変バルブ方式を採用したG63B型、通称シリウスダッシュ3×2が搭載された。
同ユニットは型式こそ従来のG63B型と同じだが、各部に新機構を投入。その最たる部分がシリンダーヘッドで、大小2本の吸気用バルブと、1本の排気用バルブを持つ、世界初の3×2バルブシステムを採用。

低速域では小径の吸気バルブのみ作動させて豊かなトルクと省燃費を達成しつつ、中高速域では大径の吸気バルブも作動させて吸入空気量を増やすことで、グロス値ながら200ps(デビュー当時)というハイパワーを実現した。ちなみにダッシュ(DASHの名は「DUAL・ACTION・SUPER・HEAD」の略で、3つのバルブが2ステージで作動することから、「シリウスダッシュ3×2」という愛称が付けられた。 

こうして、ライバルたちを脅かす強心臓を手に入れたスタリオンは、87年に北米仕様のワイドボディとダッシュエンジンを組み合わせた2000GSR‐VRを50台限定で発売。

>>【画像17枚】北米仕様と同じワイドボディは、標準仕様より50㎜もワイド。フロントバンパー開口部から見える大型空冷式インタークーラー。チューンドカーのような迫力ある装いだ

【2】に続く

デビュー時はグロス200ps、その後ネット170psに改められたシリウスダッシュエンジン。この個体はクスコのタワーバーを装着する。
>> デビュー時はグロス200ps、その後ネット170psに改められたシリウスダッシュエンジン。この個体はクスコのタワーバーを装着する。


メータークラスター両側に灯火類のスイッチを配したインパネ。ステアリングはオーナーの好みでナルディ・クラシックに交換されている。
>> メータークラスター両側に灯火類のスイッチを配したインパネ。ステアリングはオーナーの好みでナルディ・クラシックに交換されている。

1987年式 三菱 スタリオン 2000 ターボ GSR-VR

主要諸元 SPECIFICATIONS


三菱 スタリオン 2000 ターボ GSR-VR(A184A)

●全長×全幅×全高(㎜) 4410×1745×1320
●ホイールベース(㎜) 2435
●トレッド(㎜) 1465/1425
●車両重量(㎏)  1240
●エンジン型式  G63B型
●エンジン種類 直列4気筒SOHCターボ
●総排気量(cc) 1997
●ボア×ストローク(㎜) 85.0×88.0
●圧縮比7.5:1
●最高出力(ps/rpm) 170/5800
●最大トルク(㎏-m/rpm) 26.0/3000
●変速比 1速3.369/2速2.035/3速1.360/4速1.000/5速0.856/後退3.578
●最終減速比 3.909
●ステアリング ボールナット
●サスペンション ストラット(前後とも)
●ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク(前後とも)
●タイヤ 215/60R15(前後とも)
●発売当時価格 262.5万円

【すべての写真を見る】

【2】に続く

初出: ハチマルヒーロー 2018年 3月号 vol.46
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1987年式 三菱 スタリオン 2000 ターボ GSR-VR(全2記事)
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TEXT:Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO:MAKOTO INOUE/井上 誠

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