【BNR32改 HKS ZERO R vol.2】
【1】から続くHKSがR32GT-Rをベースにして生み出したコンプリートカー、「ZERO R」。
エクステリアはノーマルのイメージを残しているものの、フロントバンパー、サイドステップ、リアスポイラー、リアアンダースポイラーと、各部にエアロパーツを装着。
さらにアンダーパネルをフラット化するなど、空力を徹底的に追求している。
さらに、跳ね上げ形状のディフューザーを装着するにあたって、本来ランク下に配置されている燃料タンクがリアシート部分に移設されている。
これに伴い乗車定員は2名となったが、その一方で重量配分が適正化され、運動性能の向上にも貢献しているのだ。
レースでの使用を目的に開発されたRB26DETT型とはいえ、世界のスポーツカーと立ち向かうにはノーマルでは少々力不足。
そこでエンジンをボアアップして2688㏄まで排気量を拡大し、タービンはギャレット製のTO4Eをツインで装着。
独自のスーパーシーケンシャルシステムとすることで、優れたレスポンスと423psというハイパワーを両立した。
ちなみに、ストロークアップすればさらにハイパワーも狙えが、各部の耐久性確保と保安基準適合という課題をクリアするために、この仕様に落ち着いたそうだ。
【画像19枚】燃料タンクを移動したことにより実現した左右デュアル出しマフラーとヒップアップスタイル。ちなみにマフラーはワンオフで製作されたもの。フェンダーの形状はノーマルから変わっていないものの、専用エアロで圧倒的な存在感を主張。ZERO Rはシルバーの印象があるが、セミオーダーだったためさまざまなボディカラーが存在する【3】に続くリアシートがあった場所に燃料タンクを移設したため、給油口も右ドア後方に移動。エアプレーンタイプだ。
Cピラー横から連続性を持たせたデザインのリアスポイラーは、空力を徹底的に追求したうえでの形状となっている。
すべての画像を見る【3】に続く
HKS ZERO R(BNR32改) *基本仕様
2014年式
カラー シルキーマルーン
全長×全幅×全高(㎜) 4550×1770×1320
ホイールベース(㎜) 2615
トレッド(㎜) 1505(前後とも)
車両重量(㎏) 1600
エンジン型式 RB26DETT型
エンジン種類 直列6気筒DOHCツインターボ
総排気量(cc) 2688
ボア×ストローク(㎜) 88.0×73.7
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps) 423
最大トルク(㎏-m) 39.7
変速比 1速3.214/2速1.925/3速1.302/
4速1.000/5速0.752/後退3.369
最終減速比 4.111
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション マルチリンク(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 255/40R17(前後とも)
発売当時価格 1600万円
HKSテクニカルファクトリー
関東で唯一となるHKSのアンテナショップ。RB26DETT型のノウハウは膨大で、チューニングはもちろん、各種メンテや一般整備も行っている。
初出:ハチマルヒーロー vol.045 2018年1月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BNR32改 HKS ZERO R(全3記事)