スペシャリティカーの牙城を築き上げた|25年のワンオーナー生活 ホンダ プレリュード XX 3

1つしかない排気系バルブの隣には副燃焼室を確保し、トーチ火炎を燃焼室に送り込む機構を組み込んでいる。CVCCエンジン仕込みの完全燃焼を、さらに進化させている。

 エンジンのコンパクト化はデザイン上、2代目にとっては欠かせない進化であったが、フロントノーズの低さを実現するには、足回りの変更も余儀なくされた。しかも、妥協なき進化。走りを重視し、かつコンパクトにする。

 F1車両で採用されていたダブルウイッシュボーンを採用し、高速直進性と俊敏な回頭性能を求めた。しかし、ダブルウイッシュボーンをコンパクトにしてFF車両に収めるのは困難なこと。そこで取った策はダンパー軸をドライブシャフトをまたいでロアアームに直結させる方法。上下のスペースを確保し、ダブルウイッシュボーンとしての性能を発揮してくれる仕組み。

 その他にも国内初となる4輪アンチロックブレーキシステム、徹底した空力性能、記憶式チルトステアリング、ドライビングの情報を表示するエレクトロニックナビゲータなど、技術の粋を集めた豪華な装備が目立つ。



エアコンパネルの下にあるのがエレクトロ・マルチビジョンの操作パネル。平均速度、時間差、距離差など7項目の情報をデジタル時計の位置に表示する。



純正はフルバケットシートを採用。オーナーはドライバーズシートをレカロに交換している。後部座席にはオーナーの子供のチャイルドシートが見える。



エアクリーナーのユニットを初代から72㎜下げ、ボンネットの高さを100㎜も下げた芸術的エンジンルームレイアウト。世界初となるオールアルミSRラジエーターを採用し、40%の重量削減を達成している。



エンブレムやプレートも純正品ではなく、後で交換または追加された物。少しずつ自分仕様に仕上げ、クルマを楽しむ。マフラーはオークションで手に入れた。


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ハチマルヒーローvol.12 2009年 12月号 (記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:MINAI HIROTAKA/南井浩孝

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