ハコスカ+OS-FR7【2】「ギアボックス本体以外ほぼすべてのパーツの加工・製作作業の連続」完全ワンオフで装着を目指す

話題の「OS-FR7」は、FR車を対象とする汎用の7速シーケンシャルミッション。指定車以外はベルハウジングを各自で用意して装着する。プロショップナカガワでは、ハコスカに搭載するにあたり、TC24用をベースに、穴空け加工を施して対応した

【1】から続く
プロショップ ナカガワが、ハコスカに「OS-FR7」を搭載した。旧車に積まれるのはS30Zに次いで2台目で、ハコスカでは世界初となる。これまでのシーケンシャルドグミッションの概念を一新した、衝撃のないスムーズな操作感が話題の次世代のレーシングミッションは、L型フルチューンでゼロヨン最速を目指すハコスカとのマッチングはいかに!?

【画像26枚】ハンドソーで干渉部分をカット。ちなみにハコスカへの搭載にあたりケースが加工されたのはこの部分だけだ

レーシングパーツとなるOS‐FR7は、搭載にはそれ相応の技術がいる。実際に作業を手がけたプロショップナカガワの中川英明さんも、「装着には、ギアボックス本体以外ほぼすべてのパーツの加工・製作作業の連続。専用のベルハウジングが用意されたモデル以外は、海外メーカーなどの汎用ギアボックスと同じように、完全ワンオフ対応やね」と話す。
 これまで前例のないOS‐FR7のハコスカへの搭載にあたり、中川さんが挙げた課題は、①ベルハウジング。②ミッションマウントの製作。③プロペラシャフトの製作と取り付け。④シフトレバーの支点の位置とその支持方法。⑤スピードメーターのパルス信号の取り出し方法といった5項目。これに作業の過程で見えてくる、さまざまな問題への対応が加わる。


純正ミッションとは違い、リンケージでシフトレバーを操作する仕様になるので、ギアボックスからのレバーの位置まで開口部を広げていくことになる。まずはカットする位置のマーキングを行う。
>>ミッショントンネルのシフトスペースを拡大
純正ミッションとは違い、リンケージでシフトレバーを操作する仕様になるので、ギアボックスからのレバーの位置まで開口部を広げていくことになる。まずはカットする位置のマーキングを行う。

エアーソーで、マーキングに沿ってミッショントンネルを慎重にカット。シフトの取り付けホールを、幅、長さともに必要量広げる。
>>エアーソーで、マーキングに沿ってミッショントンネルを慎重にカット。シフトの取り付けホールを、幅、長さともに必要量広げる。

拡大されたシフトの取り付けスペース。今後、この開口部はシフトリンケージにアクセスするためのサービスホールとして使われる。もちろん、カットした部分の処理も行われる。
>>拡大されたシフトの取り付けスペース。今後、この開口部はシフトリンケージにアクセスするためのサービスホールとして使われる。もちろん、カットした部分の処理も行われる。

ミッショントンネルとの干渉部分を切除する。OS-FR7のおにぎり形のケース形状は、ハコスカのミッショントンネルの形状にほぼドンピシャ! FD3S用に設けられたブラケットが唯一の干渉部分だった。
>>OS-FR7のケースも加工
ミッショントンネルとの干渉部分を切除する。OS-FR7のおにぎり形のケース形状は、ハコスカのミッショントンネルの形状にほぼドンピシャ! FD3S用に設けられたブラケットが唯一の干渉部分だった。


OS技研のクラッチは、オフセットフライホールとの組み合わせでクランクの「ケツ切り加工」以上の効果が得られるシステムだ。
>>クラッチはオフセットタイプ
OS技研のクラッチは、オフセットフライホールとの組み合わせでクランクの「ケツ切り加工」以上の効果が得られるシステムだ。

クラッチ操作はダイレクトレリーズにて行う。オフセットタイプのクラッチをセットするため、30㎜のカラースペーサを装着して調整する。
>>クラッチ操作はダイレクトレリーズにて行う。オフセットタイプのクラッチをセットするため、30㎜のカラースペーサを装着して調整する。
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【3】へ続く

初出:ノスタルジックスピード年2020月3号 vol.23
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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TEXT : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) PHOTO : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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