レディーバード、チャリティーフェスティバルのマスコットになる!!
〜芦屋ホールにて〜
レディーバードの晴れ舞台
大貴誠がふだん、仕事を頼まれる時は
「歌やダンス」です。NPO法人 芦屋ワールドピース倶楽部主催「
チャリティーフェスティバル『音楽の旅─タイムマシーン─』」に出演依頼された時も当然のように
「舞台で歌って踊ってください」でした。
ステージでジャズに乗って登場、自己紹介をして、レディーバードの紹介もして、関西とのかかわりをしゃべり、関西の人がどれだけ面白くてどれだけ親切でどれだけおっかないか(笑)を体験をまじえてしゃべったら会場大ウケ。そして、今日ここに連れてきたレディーバードが、「生きているタイムマシーン」として、長いあいだ元気に走りながら、素敵なものを見つける旅をしていることを説明すると、客席ではすごく興味深そうに聞いてくれたのでした。今回は歌ったり踊ったりはしなかったけど、なんだかとてもウケていました。歌劇出身の女の人が、古いクルマを乗り回す仕事をしているのが相当珍しいからでしょうか。そして今回、招いてくださって、力強い後押しをしてくださった芦屋の皆さま、ありがとうございました !
もちろん歌って踊ることはできますが、大貴誠はちょっと考えた。
コンサートには
元タカラジェンヌ、声楽家、
児童合唱団、ミュージカルやダンスサークルなどが出演すると聞き、
「今の私にしかできないこと」を見てもらいたいと思いました。
ならば
「レディーバードと一緒に出演」はいかがでしょう?
舞台に一緒に出るのはさすがにムリだから、
→
「大好きな関西の話やクルマの話」をして、
そして会場に
レディーバードを展示して見てもらおう!
1時間に1回はクルマを休ませてやりながら、ノンビリ運転で快調な旅でした。ぜったい興味を持ってもらえるから。 会場は兵庫県芦屋市
横浜から運転して行きますよ。
最近
エンジンの調子もいいし、何よりもレディーバードと一緒に走るのが
好きだから大丈夫。
でもクルマの展示って、
いろいろ大変なんです。
会場は市民センターのホール、公共の場所ですからいろいろ制約があります。
「クルマの展示」を提案したら「そういうことをやったことがないのでちょっと……」。
でもそこで諦める
大貴誠ではありません。
「横浜生まれの私が関西の
歌劇団に入って、関西の人たちに育ててもらいました。
面白くて親切で明るい、
関西の人たちが大好きです!
関西の人たちの
明るさが日本を元気にします!
今回のチャリティーフェスティバルのテーマはそれだと思ってるんです。
レディーバードはそのテーマにぴったりな存在なんです!」
「こんなに可愛いクルマ見たことない!」と喜んで1時間に1回はクルマを休ませてやりながら、ノンビリ運転で快調な旅でした。 多少強引ではありますが、これを力説したら、
まずワールドピース倶楽部の理事長が「今回の
ショーのサブタイトル『
タイムマシーン』の象徴みたいな
クルマよね!」
と乗り気になってくれちゃったのです。
言われてみればその通りで、戦後「庶民のための自家用車」として誕生し、
国民車として一世を風靡、今もびっくりするぐらい元気に走り回る、
コンパクトで可愛いクルマ。
レディーバードは、まさに
生きたタイムマシーンです。
★人気者★コンサートに来るお客さんたち、とくに年配の男性がレディーバードにくぎづけ! 懐かしい、最初に買ったクルマがこれだった、今でも走るの? 高速はムリでしょ? キレイだねー、エンジン見てもいい? どこから乗ってきたの? 横浜!…… その言葉に力を得て、
大貴誠は企画書を書いて提出してみることにしました。
歌劇団時代に何度か仕事や交渉をしたことがあるので、お役所は
「法に触れるのはダメ」だけれど、
「前例のないこと」については、それをやりたい理由をきちんと説明し、最大限の準備をして臨めば、
分かってもらえることがある、ということを知っていました。
レディーバードの晴れ舞台「音楽の旅─タイムマシーン─」の会場、芦屋ルナホール。そのエントランス前の広場に展示させてもらったレディーバードです。ポールとチェーンは大貴誠がレンタルしてきたもの。シートはホームセンターで購入。ガソリンについての注意事項はありませんでしたが、パシフィコ横浜などの自動車イベント時の要項を調べると「5ℓ以下」とあったので、ここでもそうしました。本誌編集部に頼んでいただいた、大貴誠連載ページと、スバル360の表紙のデータを大きくプリントしてパネルにしたものを飾り、ノスタルジック2デイズで展示した時に編集部が作ってくれたレディーバードの説明パネルをずっと大事に持っていたので、それも一緒に飾りました。そして、大貴誠の熱い思いを知った主催者の方が「ワールドピース倶楽部号」の看板もつくってくれました ! がんばってここまで連れてきて、本当によかったです。
だから今回も
熱意をこめてお願いしたら、市役所の人も興味を持ってくれて、いつもは開放していない会館エントランス前の広場、
ちょうどお客さまが並ぶところに、レディーバードを展示できることになったのです。
入り口にちょこんと展示された
真っ赤なクルマに、まあお客さんたちが懐かしがって
集まること集まること。前例は確かになかったけど、何にだって
「最初」というものがあります。
レディーバードを展示するのは、ぜったいに
お客さんに喜んでもらえる、という自信が
大貴誠にはありましたが、
それでも大貴誠の企画を聞いてくれて
理解して許可してくれた芦屋市には感謝です。
そしてチャリティーコンサートの、
可愛いマスコットとして一日、
しっかり活躍してくれたレディーバードにも
「お疲れさまでした!」。
大貴 誠(だいき・まこと) OSK日本歌劇団・元男役トップスター。
ノスヒロをむさぼり読んでいた日本で唯一の歌劇スター。2010年夏、念願のスバル360を入手。このクルマと一緒に日本中を旅する予定。掲載:ノスタルジックヒーロー 2015年3月号 Vol.167
(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)