国産車の中で一番好きなクルマ【1】117クーペとカロッツェリア・ギアの流れをくむサルーン|1976年式 いすゞ フローリアン スーパーデラックス

ダイナミックな印象を与えるフロントマスク。フロントグリル、ライトカバーが樹脂製になっている。ライト周囲がメッキ処理されているのがデラックスの特徴。ウインカーはバンパーの下に取り付けられている

       

【1976年式 いすゞ フローリアン スーパーデラックス vol.1】

いすゞ117クーペの系列となる117サルーンとして、1966年の東京モーターショーに登場したコンセプトカーは翌67年にフローリアンとしてデビューした。既存モデルのベレットよりも少し大きく、ワンランク上位クラスを狙ったモデルだった。

イタリアのカロッツェリア・ギアによるデザインはフロントマスクに丸みを帯びた、柔らかいシルエット。ボディ形状は4ドアセダンと5ドアバンの2種類を設定。ベレットGTの1.6Lエンジンをディチューンして搭載した。

70年のマイナーチェンジでフロントマスクの意匠が大きく変わり、ライト回りには樹脂製パーツが使われた。ダイナミックでボリューム感のあるデザインとなり、直線的なラインが強調されるようになった。

他車とのパーツ共有化などもあり、数回のマイナーチェンジを繰り返していたが、昭和50年排ガス規制の際にはスポーティーモデルがカタログから外れ、車種が減少。翌年、昭和51年排ガス規制の施行に合わせるように、グレードの見直しが行われ、ラインナップは1800スーパーデラックスのみとなった。ボディカラーもマルーンのみという、徹底的に絞り込まれたモデル展開となった。

【画像15枚】初代フローリアンは、イタリアのカロッツェリア・ギアによるデザイン。1970年のマイナーチェンジをを受け、フロントマスクの意匠が変更された。アルミホイールはグッドイヤーを履く。ビンテージスタイルだが、オーナーはスチールホイールにホイールカバーを装着したいという


>>1970年のマイナーチェンジでフロントマスクの意匠が大きく変わり、ライト回りには樹脂製パーツが使われた。


>>1971年モデルはこのデラックスのみのラインナップ。カラーもマルーンのみという、単一グレード、シングルカラーという絞り込みが行われた。


>>フロントドアサイドのプレスラインにさりげなく取り付けられた「FLORIAN」のエンブレム。


1976年式 いすゞ フローリアン スーパーデラックス(PA30MDH)

全長4305mm
全幅1620mm
全高1445mm
ホイールベース2500mm
トレッド前/後1335/1315mm
最低地上高170mm
室内長1795mm
室内幅1345mm
室内高1170mm
車両重量1040kg
乗車定員5名
登坂能力tanθ0.48
最小回転半径5.2m
エンジン型式G180Z型
エンジン種類水冷直列4気筒SOHC
総排気量1817cc
ボア×ストローク84.0×82.0mm
圧縮比8.5:1
最高出力105ps/5400rpm
最大トルク15.0㎏-m/3800rpm
変速比1速3.207/2速1.989/3速1.356/4速1.000/5速0.855/後退3.438
最終減速比3.727
燃料タンク容量44L
ステアリング形式ボールナット
サスペンション前/後ダブルウイッシュボーン/半浮動式
ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも6.45-13-4PR
発売当時価格139.5万円


【2】へ続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年6月号 vol.193
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1976年式 いすゞ フローリアン スーパーデラックス(全3記事)
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text:Keishi Watanabe/渡辺圭史 photo:Sato Ryota/佐藤亮太

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