「師匠」から20歳のときに譲ってもらった、RS20クラウン【2】1960年式 トヨペット クラウン RS20

ウッドパネルを貼って磨き込んだように見えるインパネやドアパネルだが、実は茶色の塗料をかすれたように塗り、木目のイメージで仕上げたものだ。オーナー自身が手がけた。

       
人にとって30年はとても長い時間であることは間違いない。しかしクルマにとってはどうだろう。
機械であるクルマの場合、特に旧車ではメカニズムのメンテナンスをし続ければ、走らせることは可能だ。
今回、30年前に撮影した同じシチュエーションで、同じシーンを再現。まさに時空を超えた瞬間が訪れたのだ。

【1960年式 トヨペット クラウン RS20 Vol.2】

【1】から続く

 オーナーに今号の企画の意図を説明してロケ地の件もたずねてみると、現在は国指定登録有形文化財であるという。特別に許可をいただいて撮影が可能となり、取材当日を迎えたのだった。

 クラウンRS20は、20歳の時に「師匠」から譲ってもらったという。

「当時私はバイクのモトクロスをやっていて、全日本選手権に出場するほど打ち込んでいました。そして四輪の運転免許を取ったら、ホンダS600に乗りたいと思っていて、それをモトクロスの師匠が持っていたんです。1年くらいしてようやく売ってもらえることになったのですが、そうしたらクラウンと2台一緒ならば売る、という話になって。だからS600の付録みたいな感じで私のところに来たんです」

 思わぬ展開でクラウンのオーナーになったが、個体としては新品パーツでエンジンがオーバーホールされており、決して悪い買い物ではなかった。


>> 【画像28枚】位置が独特で、左テールランプユニットを開いた奥にある燃料給油口など。専用キー付きだ



>> アメリカンカスタムを表現するために取り入れた装備が、ラジオの下のジュークボックス。無理なく収まっているので違和感がない。





>> インパネの丸いコンビメーター。右下に水温計、左下に燃料計を配置。






>> スピードメーターは横の針がスライドするタイプ。目盛りは120km/hまで。




【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年8月号 Vol.188
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1960年式 トヨペット クラウン RS20(全3記事)

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【1】から続く

photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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