R31スカイラインの4気筒版「ピンターラ」の後継として豪州に登場した「ブルーバード オーズィー」。U12モデル末期、わずか3カ月間の日本導入【3】1991年式 日産 ブルーバード オーズィー

生みの親のひとりが愛でる、豪州生まれの5ドアハッチバック

       
【 1991年式 日産 ブルーバード オーズィー Vol.3】

【2】から続く


 こうした経緯で誕生したオーズィーが日本に上陸したのは、すでにU12ブルーバードのモデル末期となる1991年5月。同年8月まで期間限定で発売された(9月にはU13がデビューしている)。わずか3カ月ほどの期間に日本国内での販売台数は1400台ほどと言われている。いかにオーズィーがレアなクルマかが分かるだろう。

 その後、1992年に豪州のクレイトン工場が閉鎖されることとなり、オーズィーの生産は終了した。「私はU12が現地生産を開始する前の1989年末に豪州日産を離れてしまいましたが、車両の企画にかかわったことと、個人的に最後のブルーバードらしいブルーバードと思っているU12の歴史の証人として、生涯オーズィーの面倒を見ていきます」とオーナーは最後に語った。

>> 【画像19枚】オーナーが所有する希少なエンブレムなど。U12ブルーバードはオーストラリアで「PINTARA(ピンターラ)」の名で国産化されていた




OWNER’S VOICE

 オーナーがこの個体を手に入れたのは約12年前。その当時でも中古車は皆無で、「大阪でやっと見つけたのがこのクルマでした」とオーナー。「オーズィーに関わったひとりとして、その存在を後世に残したいですよね。ほかにも担当したクルマは数多くありますが、希少性という点ではオーズィーが一番ですから」と付け加えた。長く日産の開発にかかわってきたオーナーは、現在、電気自動車普及協会(APEV)の上席研究員として、新たなチャレンジをしている。70歳を目前にしてもまだまだ現役だ。(いずれも取材時)



1991年式 日産 ブルーバード オーズィー (HAU12)


SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4550×1690×1390
ホイールベース(mm) 2550
トレッド前/後(mm) 1460 / 1450
車両重量(kg) 1320
エンジン型式 SR20DE型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 86.0×86.0
圧縮比 9.5:1
最高出力(ps / rpm) 140 / 6400
最大トルク(kg-m / rpm) 18.2 / 4800
変速比 1速 2.785 / 2速 1.545 / 3速 1.000
4速 0.694 / 後退 2.272
最終減速比 4.133
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 195 / 65R14(前後とも)
発売当時価格 216.0万円


初出:ハチマルヒーロー 2016年 7月号 vol.36
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1991年式 日産 ブルーバード オーズィー(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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