フルタイム4WD+ターボ! シーンを選ばぬ快速ワゴンのパイオニア【2】1990年式 スバル レガシィ ツーリングワゴン GT

フォグ内蔵バンパーは、GT&セダンRS専用デザイン。合わせて、ボンネット上にエアインテークが設置される。この個体にはオプションのフェンダーコントロール(コーナーポール)も装着されていた

       
【 1990年式 スバル レガシィ ツーリングワゴン GT Vol.2】

【1】から続く

 さらに、優れたユーティリティー性能だけではなく、従来のワゴンではありえなかった優れた走行性能も大きな注目を集めた。エンジンはスバル十八番の水平対向で、新設計のEJ型を搭載。2.0LはDOHCのEJ20型となり、可変吸気コントロールシステムやマルチポイントシーケンシャルインジェクション、ダイレクトイグニッションなどを採用。そしてターボ仕様は、水冷式インタークーラーや水冷式オイルクーラーを装備し、ハイパワーと高い信頼性を両立。200ps/26.5kg-mというスペックを実現したのだ。

 このターボモデルの4WDシステムはミッションによって仕様が異なっており、これもスバルならではのこだわり。4速AT車には、走行状態や路面状況を的確に判断して前後のトルク配分をコントロールする、電子制御アクティブトルクスプリット方式を採用。5速MT車では、前後トルクは50対50が基本で、前後に回転差が生じたときには漸進的にトルク配分を変化させるビスカスLSD付きセンターデフ方式を搭載。GT系には、リアビスカスLSDも装備され、抜群のトラクション性能を手に入れた。そして、ターボエンジンとの組み合わせにより、さまざまなシーンでパフォーマンスを発揮することが可能になったというわけだ。また、デビュー前にはセダンがアメリカで10万km世界速度記録に挑戦し、223.345km/hという記録を樹立。ボディ形状の違いこそあるものの、ターボエンジンのハイパワーとフルタイム4WDによる高い走行安定性が、この記録を作り出したのである。

>> 【画像17枚】シリーズ最強の200ps/26.5kg-mを発揮した水冷インタークーラー装備のEJ20型ターボなど。セダンRSの最高出力は220psだが、GT系は市街地での扱いやすさやATとのマッチングを考慮したチューニングで200psとなった




>> インパネはセンターコンソールをドライバー側にオフセットしたデザイン。GTとセダンRSには、MOMO製の本革巻きφ380mmステアリングのほか、革巻きのシフトノブやパーキングブレーキレバーも装備。




>> 国産車初の7ポジション(P・R・N・D・3・2・1)セレクトパターンを採用。シフトノブの「MANUAL」スイッチを押せば、マニュアル感覚のドライブも可能だ。

1990年式 スバル レガシィ ツーリングワゴン GT(BF5)

SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4600×1690×1500
ホイールベース(mm)  2580
トレッド前/後(mm) 1465 / 1455
車両重量(kg)  1440
エンジン型式  EJ20型
エンジン種類 水平対向4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1994
ボア×ストローク(mm) 92.0×75.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps / rpm) 200 / 6000
最大トルク(kg-m / rpm) 26.5 / 3600
変速比 1速 2.785 / 2速 1.545 / 3速 1.000 /
4速 0.694 / 後退 2.272
最終減速比 4.444
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205 / 60R15(前後とも)
発売当時価格 264.8万円

【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 7月号 vol.36
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 スバル レガシィ ツーリングワゴン GT(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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