ハコスカ・ケンメリのS20型エンジン以来のツインカム4バルブ! FJ20ET型の進化【4】1984年式 日産 スカイライン HT 2000 ターボ インタークーラーRS-X

幻の純正ブラックをまとった、史上最強のスカイラインターボ

       
【 1984年式 日産 スカイライン HT 2000 ターボ インタークーラーRS-X Vol.4】

【3】から続く

 さて、今回の特集はターボエンジンがキーワードだ。なので、ここではFJ20ET型を掘り下げたい。

 DR30用に完全新設計で開発され、1981年10月にベールを脱いだFJ20E型エンジンは、ハコスカGT‐RのS20型エンジン以来のツインカム4バルブとなった。それだけでスカイラインファンは熱狂したが、150psというスペックは期待を裏切らないものだった。そして、1983年2月にターボチャージャー(TC)を装着して190psを叩き出したFJ20ET型エンジンを投入。タービン径φ58.9mm、コンプレッサー径φ60.2mmという、2Lクラスのパワーユニットに使われるものとしては大型のTCによってハイパワーを手にしたDR30は、「史上最強のスカイライン」の称号が与えられたのだった。

 しかし、進化はこれで終わりではない。翌1984年2月に、インタークーラー(IC)付きFJ20ET型が登場。TCで圧縮された吸入気は発熱により密度が薄くなってしまう。それを解決するのがICで、コンプレッサーとインマニ間に装着されたICが吸入気を冷却し、高密度化。より高出力が得られるという仕組みだ。これにより、FJ20型エンジンは、そのポテンシャルと能力を開放し、スペックは1Lあたりの出力が100psを超え、205psにまで達した。しかも、従来型ターボエンジンよりもタービン、コンプレッサーともに低速重視型に変更され、扱いやすさが増している。

「DR30の魅力はエンジン。このFJ20ET型インタークーラーはDR30にしか搭載されなかったのですから」と池谷さん。史上最強のスカイラインはやはり特別なのだ。


>> 【画像31枚】再メッキ施行、ホース類新品交換、ラジエーター&ウオーターポンプのリビルト品交換、クランクプーリーのオリジナル品交換など、エンジンルーム内は見た目の美しさだけでなく、機能面も考慮して安心仕上げがされている




>> FJ20ET型インタークーラーエンジンは、最大過給圧0.53kg/㎠、圧縮比8.5に設定される。






>> 4バルブのバルブ径は吸気がφ34.5mm、排気がφ30.0mmで、これはレーシングカーR382用のGRX型エンジンと同じサイズ。吸排気バルブはクロスフローレイアウトを形成している。






>> 25段調整のフルタップ式車高調はユーティリタスオリジナル品で、前後ピロアッパーマウントも装備する。ホイールハウス内も純正ブラックで塗装されているほか、ブレーキのオーバーホール、クロスメンバー専用塗装、スタビブッシュ新品交換、タイロッド&アイドラアームのリビルト品交換を実施。



SHOP INFORMATION/こだわりと情熱を持ったDR30のプロショップ

「DR30のことならここに任せれば安心」というほど、全国のファンとオーナーが頼りにしているプロショップ。本誌でも幾度となく驚異的なコンディションのDR30を披露してくれている。「ここまでやるか」という仕上がりは、代表の池谷祐一さんのこだわりと情熱があってこそ。車両販売から整備、レストア、チューニングまで、DR30を知り尽くしたスタッフが親身になって対応してくれる頼れる専門店だ。


ユーティリタス
〒184-0014
東京都小金井市貫井南町1-5-22
TEL:042-384-7700
営業時間:10:00~19:00
定休日:火曜日
http://www.utilitas.co.jp/




1984年式 日産 スカイライン HT 2000 ターボ インタークーラーRS-X(DR30)


SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4620×1675×1360
ホイールベース(mm)  2615
トレッド前/後(mm) 1420 / 1410
車両重量(kg)  1245
エンジン型式  FJ20ET型
エンジン種類 直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1990
ボア×ストローク(mm) 89.0×80.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps / rpm) 205 / 6400
最大トルク(kg-m / rpm) 25.0 / 4400
変速比 1速 3.321 / 2速 1.902 / 3速 1.308 / 4速 1.000 / 5速 0.838 / 後退 3.382
最終減速比 3.900
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ストラット / セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 205 / 60R15(前後とも)
発売当時価格 287.9万円


初出:ハチマルヒーロー 2016年 7月号 vol.36
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1984年式 日産 スカイライン HT 2000 ターボ インタークーラーRS-X(全4記事)

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【1】【2】【3】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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