「車検のたびに浜松から今治まで自走で通っていますが、二十数年間、まったくノートラブルです」【2】1972年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R

S20型エンジンはシライシエンジニアリングでオーバーホール。部品は基本的に純正のままだが、マル秘のノウハウを駆使し、壊れず、安心して性能を引き出せる状態へチューニング。

       
浜松市在住のオーナーが所有する1972年式ハコスカGT-Rには、特別な思い出が込められている。2016年に惜しまれつつ亡くなったGT-Rの名匠・白石茂樹さんが、生前に入念なバランス取りを行ったS20型エンジンを搭載。以来ノントラブルを貫く、GT-Rの「鏡」とも呼べる1台なのだ。

【 1972年式 日産スカイライン ハードトップ 2000 GT-R Vol.2】

【1】から続く

 周知の読者も多いと思うが、白石茂樹さんは残念ながら既に故人となられ、現在、シライシエンジニアリングは息子の慎弥さんが引き継いでいる。オーナーのGT‐Rは、その御殿場での茂樹さんとの出会い以降、GT‐Rに関してはシライシエンジニアリングにずっとお世話になっているそうだ。

「当時から企業秘密ということで詳しい内容は教えてもらえませんでしたが、エンジンのオーバーホールはシライシ流の『スタンダードメニュー』が施されています。いまも車検のたびに浜松から今治まで自走で通っていますが、二十数年間、まったくノートラブルです。当時白石さんが、『うちのエンジンは何も起こりませんから、安心してください(笑)』とおっしゃっていたのを思い出しますね」
 そう白石さんとの思い出を語るオーナー。ずっとあこがれ続けたGT‐Rとの生活を支えてくれた大事な恩人を思い、遠くを見つめながら続けた。

>> 【画像23枚】1万2000rpmまで目盛りが刻まれるシライシエンジニアリング製のタコメーターなどが並ぶ計器類。油温計、油圧計はKS製




キャブレターはウエーバー40DCOEを組み合わせる。






タコ足はシライシエンジニアリングのオリジナル。レース用に開発された商品とも異なる、独自のレイアウトを採用。



【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年6月号 vol.187
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産スカイライン ハードトップ 2000 GT-R(全3記事)

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【1】から続く

text : MITSUOU NOMURA/野村充央 協力 : 全日本ダットサン会歴史研究部 資料提供 : 日産GT-RC30クラブ、野村充央

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