フェアレディ240ZG、L型エンジンの消耗パーツはごっそりと新品パーツに【7-2】ニッポン名車物語 復活編 第七話

240Zの再生作業。カムチェーンもオリジナルどおりのテンションに設定。これも大きなズレはなく、調整だけで対応できた

       
フェアレディ240Zの再生作業が順調に進行している。すでにボディ周りの再生は終了しており、いよいよ機関部に着手した。今回のメニューは、エンジン本体とオルタネーター、セルモーターのオーバーホールと補器類の新調が主なところ。さらに特別オーダーした表皮で張り替えた、シートやドア内張りも装着。ビンテージカーヨシノのスタッフたちの技術を結集した内容となっている。

【 ニッポン名車物語 復活編 第七話 Vol.2】

【1】から続く

 そしてクランク自体のガタの修正にクランクプーリーの交換をするにあたり、装着部分周辺の消耗を補う肉付けをしている。また、オイルパンカバーやブロック部分をリペイントしてお化粧直しをした。そしてカムカバーはウエットブラストを掛けて新品同様に磨き上げている。なお、ヘッド部分はバルブガイドとシートリングを新品にした。 日産のL型エンジンは量産機であり、現在もさまざまな新品パーツが出回っている。それらを活用して消耗パーツはごっそりと新品パーツにして、現代で問題なく使用できる状態にした。なお、キャブレターに関しては、オーナーの希望からソレックスの3連に変更。この部分だけ、オリジナルよりフィーリングを優先させた。

>> 【画像13枚】新品ではなくオリジナルを洗浄とブラストによって新品同様に再生されたヘッドカバーなど




>> エンジンはすでに組み上げられている。ヘッド部分の重要ポイントはバルブタイミングの設定だ。オリジナルと同じタイミングとなるように、ダイヤルゲージを使って実測しながら設定。大きなズレもなく、理想的な燃焼が得られるように調整済みだ。






>> オリジナルはSUツインキャブレターだが、オーナーの希望からソレックスの3連に変更することとなった。写真右側の2基がオリジナルのSUキャブレター。左側の3基が、今回新たに装着するミクニソレックス3型。カバーの固定ボルトが蝶ネジタイプになっているのが特徴。もちろんこれは当時ものを入手している。3連キャブは同調にシビアなセッティングが必要になるが、そこは旧車を知り尽くしたビンテージカーヨシノのメカニックによる絶妙の調整が期待できる。パワー感やフィーリングの向上が図られるというわけだ。






>> インテリアはビンテージカーヨシノが特別オーダーした表皮を使ってワンオフ製作されたもの。シートはすべて張り替えられている。もちろん内部のクッションも新品にしてオリジナルの形状をしっかり再現。なお、シート表皮の模様は、240Zの生産中止と同時期にZのシリーズ全体がマイナーチェンジされており、シートの模様が横じまではなく、縦じまの新タイプとなっている。このモデルは1973年の最終型なので、縦じまのタイプを使用する。




【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年6月号 vol.181
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ニッポン名車物語 復活編 第七話(全3記事)

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【1】から続く

photo : NOSTALGIC HERO/編集部

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