クラウンにとって変革と挑戦の時代、80年代の3世代を振り返る|50年以上にもおよぶ最高のライバル関係 セド・グロvsクラウン

6世代目〜8世代目までのクラウンたち

       
保守と革新が共存するパイオニア、日本が誇る不変の最高級サルーン

日本初の純国産方式として誕生した初代トヨペット・クラウン以来、国産最上級車としての使命を自らに課し、進化を続けてきたクラウン。
保守的とも言われるがつねに革新を生んできた先駆者でもある。そのなかで80年代の3世代はクラウンにとって変革と挑戦の時代だった。



[ 1983年式 トヨタ クラウン 4ドア ハードトップ 2000 スーパーサルーン エクストラ(GS110) ]
 永遠のライバル、430セドリック&グロリアの登場から遅れること3カ月、クラウンも新たな世代へと移行した。それが1979年9月にデビューした6代目となるS110系だ。従来よりも直線的で先進性と伝統的な風格を融合したデザインや、新開発となる5M‐EU型2.8L SOHCエンジンの搭載をはじめとして、新世代のクラウンは大きな注目を集めた。



[ 1981年式 トヨタ クラウン 2ドア ハードトップ 2000ターボ スーパーサルーン エクストラ(MS110) ]
 1964年の東京オリンピックを契機に、日本国内には近代化の波が押し寄せた。交通網や道路事情をはじめとする社会インフラが整備され、オリンピック景気からいざなぎ景気へと続く1960年代半ばから後半には、カラーテレビ、クーラー、自動車が新三種の神器としてもてはやされた。これに象徴されるように、この時期に日本のモータリゼーションは一気に花開き、大衆化や多様化の一途を辿っている。



[ 1987年式 トヨタ クラウン 4ドア ハードトップ 2000 ロイヤルサルーン スーパーチャージャー(GS121) ]
「世界最高級のプレステージサルーン」をテーマに開発された7代目クラウン。歴代モデルが持つ最高級車としての品格や伝統を尊重しつつ、モダンなスタイリングに進化したボディは、4ドアハードトップ/セダン、ワゴンという3タイプを用意。先代まで設定されていた2ドアハードトップは、そのポジションをソアラに託す形で消滅した。また、主力となる4ドアハードトップは、Cピラーを別素材でカバーした「クリスタルピラー」を採用したことが大きな特徴となっている。




[ 1987年式 トヨタ クラウン 4ドアハードトップ ロイヤルサルーンG(MS137) ]
 バブル絶頂期ともいえる1987年にデビューした、8代目にあたるS130系クラウン。1980年代半ばといえばさまざまな技術が進歩し、カーエレクトロニクスが一気に普及した時代だ。S130系クラウンは、まさにそれを象徴する1台と言っていいだろう。


>> 【画像20枚】歴代クラウンの特徴的なスタイリングなど



初出:ハチマルヒーロー 2016年 5月号 vol.35
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)



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