「長く大事にしたいクルマ」新生クラウンとも呼べるほど劇的に進化した後期【3】1983年式 トヨタ クラウン 4ドア ハードトップ 2000 スーパーサルーン エクストラ

新世代エンジンを迎え入れ、進化と熟成を重ねた後期モデル

       
【 1983年式 トヨタ クラウン 4ドア ハードトップ 2000 スーパーサルーン エクストラ Vol.3】

【2】から続く

 後期で導入された5M-GEUなど新エンジンに合わせて、トランスミッションも改良。全車4速となったATは、5M‐GEU型にはオーバードライブとロックアップを電子制御するECTを、1G‐EU型には2ウェイオーバードライブ機構を取り入れた。これらの新たなパワーユニットは、クラウン伝統の強固なペリメーター型フレームによるしなやかで静粛性の高い走行性能を、さらに1段も2段もレベルアップさせた。

 こうして後期のS110系は、「新生クラウン」とも呼べるほど劇的に進化し、地位と名声を取り戻した。だからこそ、30年以上が経った今でも一目置かれる存在であり続けているのだ。

 この個体のオーナーは「長く大事にしたいクルマ」にこのS110系クラウンを選んだ。「旧車が好きで、何かいいクルマはないかと探していたときにS110系クラウンを見て『これだ!』って直感しました」とオーナー。そして、静岡県浜松市にあるオートショップ・タキーズの販売車両の中に、白の2.8Lを発見。実車を確認しに行ったときに、「オニクラならもう1台あるよ」と見せてくれたのがこの個体だったそうだ。「内装のコンディションが良かったんです。フルノーマルでシートの状態も良くて。希望の2.8Lではなかったけれど、こっちに決めました」とオーナー。「長く大事に」の言葉通り、このクルマをとても愛している。


>> 【画像15枚】 マイナーチェンジで中央にラインが入ったことが変更点のひとつであるボンネットなど。スーパーサルーン・エクストラはフェンダーの先端にあるクリアランスランプ・モニターを標準装備する。スタイリッシュなハードトップはラップラウンド・リアウインドーが特徴的。ピラーのエンブレムはエクストラの「E」をモチーフにしたもの




>> 後期のパワーユニットは1981年にデビューした初代ソアラ譲りのラインナップ。1G-EU型や5M-GEU型を投入して、走行性能のレベルアップを果たした。


OWNER’S VOICE/こんな個体は2度とないから即決でした



 オーナーがこの個体を入手したのは約5年前。「フルノーマルのワンオーナーでオリジナル塗装という極上コンディションでした。こんな個体なかなかないので即決でした」と当時を振り返る。購入後は下回りのサビ取り&塗装、エンジンや足回り関係の消耗品交換など1をして万全の態勢に。オーナーは自動車整備士なので作業はすべて自身で行っている。手塩にかけて仕上げてきたからこそ愛情もひとしお。「部品の調達に苦労していますが、ずっと大事にします」と語った。


1983年式 トヨタ クラウン 4ドア ハードトップ 2000 スーパーサルーン エクストラ(GS110)


Specification 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4690×1690×1410
ホイールベース(mm) 2690
トレッド前/後(mm) 1430/1400
車両重量(kg) 1400
エンジン型式 1G-EU型
エンジン種類 直列6気筒SOHC
総排気量(cc) 1988
ボア×ストローク(mm) 75.0×75.0
圧縮比 8.8:1
最高出力(ps/rpm) 125/5400
最大トルク(kg-m/rpm) 17.5/4400
変速比 1速2.450/2速1.450/3速1.000/
4速0.688/後退2.222
最終減速比 4.778
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/4リンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185SR14(前後とも)
発売当時価格 243.8万円


初出:ハチマルヒーロー 2016年 5月号 vol.35
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 トヨタ クラウン 4ドア ハードトップ 2000 スーパーサルーン エクストラ(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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