Y30。高級車の理想を追い求めた、ジャパンプレステージサルーン【1】1985年式 日産 セドリック 4ドア ハードトップ V30 ターボ ブロアム VIP

後期のマスクはフォグランプ内蔵グリルとなり、ポジションランプをヘッドライト下に移動。さらに、ターンランプにはコーナリングランプも組み込まれた。なお、ヘッドライトとボンネットマスコットはLED化され、これはオーナーの自慢だそうだ。

       
【 1985年式 日産 セドリック 4ドア ハードトップ V30 ターボ ブロアム VIP Vol.1】


 1983年にデビューしたY30。空力と機能を追求しながら高級車としての風格を感じさせるスタイリングや、ゆとりとやすらぎの移動空間を目指したインテリア、しなやかでゆったりとした乗り心地を実現する新開発サスペンションなど、注目する部分はじつに多い。しかし、最大のトピックは国産量産車初のV6エンジンを搭載したこと。当時のセドリックのカタログには「V6こそ高級車の証」、グロリアのカタログには「世界の名車はV」とあるように、メーカーがV型エンジン搭載を最大のアピールポイントとしていたことが手に取るように分かる。

 長年搭載されてきたL型に代わって採用されたV型6気筒のVG型エンジンは、400基を超える試作、延べ1万時間にもおよぶベンチテスト、9万kmにも達する耐久実験などを行い、130件もの特許を獲得した、日産の持つ技術を結集した新世代エンジンだ。シリンダーバンク角60度のV型配置を採用したことで等間隔爆発を可能にし、スムーズな吹け上がりとパワフルな走りを実現。徹底したコンパクト設計により3Lクラス世界最軽量の168kg(VG30E型、AT車の整備重量)を達成したことも、走行性能や経済性の向上に大きく貢献している。


>> 【画像15枚】ゴージャスなシート地は紋モケットと呼ばれるもので、ブロアムVIPには4名分のメモリー機能を備えるマイコンパワーシートを標準装備していた。シートカバーは社外品だが、父親が乗っていたY30に当時装着していたものとのこと 



>> ブロアムVIPには、キーを使用することなくドアの開錠/施錠、パワーウインドーの下降、トランクオープンの操作ができるキーレスエントリーシステム装着車も設定。





>> 字光式ナンバーと日産オプションのナンバーフレームの組み合わせは、オーナーによる力作。「30-00」の車番もオーナーのこだわり。



1985年式 日産 セドリック 4ドア ハードトップ V30 ターボ ブロアム VIP(PY30)


Specification 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4860×1720×1410
ホイールベース(mm)  2730
トレッド前/後(mm) 1430 / 1400
車両重量(kg)  1600
エンジン型式  VG30ET型
エンジン種類 V型6気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 2960
ボア×ストローク(mm) 87.0×83.0
圧縮比 7.8:1
最高出力(ps / rpm) 230 / 5200
最大トルク(kg-m / rpm) 34.0 / 3600
変速比 1速 2.458 / 2速 1.458 / 3速 1.000 /
4速 0.686 / 後退 2.182
最終減速比 3.700
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ストラット / 5リンク
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 195 / 70R14(前後とも)
発売当時価格 419.0万円

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 5月号 vol.35
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1985年式 日産 セドリック 4ドア ハードトップ V30 ターボ ブロアム VIP(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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