東京モーターショーに出展された
コンセプトカー&ショーモデル
【 第25回 東京モーターショー1983 トヨタ・日産編 Vol.3】
【2】から続く トヨタのハイライトはFX‐1である。2+2レイアウトのスポーツクーペで、Y型バックボーンフレームに空気抵抗係数0.25を誇る流麗なクーペボディを被せた。このボディには革新的な射出成形したウレタンやラミネート鋼板を用いている。サスペンションはダブルウイッシュボーンとハイドロニューマチックの組み合わせだ。減衰力の調整だけでなく、バネ定数や車高調整も行うなど、時代を先取りした。
パワーユニットは、トヨタが威信をかけて開発し、送り出した2Lの1G‐GTEU型水冷直列6気筒DOHC4バルブを搭載する。これに空冷インタークーラーを加えたターボを装着した。ソアラやマークIIなどでおなじみのエンジンだが、可変バルブタイミング機構や可変吸気システムを採用し、ドライバビリティを向上させている。
また、トヨタが1970年代から提案しているスポーツビークルの3代目も展示された。このSV‐3は、ルックスを見れば分かるように1984年6月に正式デビューするトヨタMR2の最終プロトタイプだ。日本で初めての量産ミッドシップカーで、FF方式に転換したカローラとスプリンターの横置きユニットをドライバーの後方に積んでいる。MR2とはガラスルーフの形状やスポイラーなどが違っていた。
クロスオーバーカーも意欲的に展示している。ラギッド感の強いデザインが注目を集めたトヨタTAC3は、オートバイのような爽やかな走りを狙ったレジャービークルだ。トヨタ・アクティブ・コミューターの頭文字を取り、3は3人乗りを意味している。商業車館にはワンボックスのハイエースやタウンエースの改造車を展示した。
>> 【画像13枚】第24回 東京モーターショー 。すぐにでも量産に移せそうなほど完成度が高かったFX-1のインテリアなど[トヨタSV-3] トヨタが1971年からモーターショーのたびに提案しているスポーティビークルの第3弾が脱着式ルーフを採用した2シーター・ミッドシップのSV-3。8カ月後にMR2の名で正式デビューを飾った。
[トヨタFX-1] この時代になると実際に走ることができるショーカーが中心になった。
初出:ハチマルヒーロー 2015年 11月号 vol.32
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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