東京モーターショーに出展された
コンセプトカー&ショーモデル
【 第25回 東京モーターショー1983 トヨタ・日産編 Vol.2】
【1】から続く 日産ブースの主役は、近未来コンセプトカーのNX‐21だ。そのネーミングから分かるように、21世紀のプレミアムセダンをイメージし、デザインもメカニズムも凝っている。エクステリアとインテリアを手がけたのは、カリフォルニア州ラフォーヤに拠点を持つNDI(ニッサン・デザイン・インターナショナル)だ。現在はNDA(ニッサン・デザイン・アメリカ)と呼ばれるデザインスタジオの作品で、エアロダイナミクスを徹底的に追求した。
スポイラーに頼らない、フラッシュサーフェスの伸びやかなボディに跳ね上げ式のガルウイングドアを組み合わせ、リアタイヤにはハーフカバーを被せて空気の乱れを防いでいる。グラッシーな明るいガラスエリアも特徴のひとつだ。大きなサイドウインドーにはチケットなどを出し入れする小窓を設け、利便性を向上させた。インテリアも未来感覚あふれるものだ。デジタルや絵で各種の情報を表示し、操作系はタッチパネルとしている。
注目のパワーユニットは、何とガスタービンエンジンだ。小型のガスタービンを採用し、クリーン度を大幅に高めた。ガスタービンエンジンを搭載することもあり、NX‐21ホイールベースは2985mmと、かなり長い。
また、FFに転換したサニーをベースに開発された日産NRV‐Ⅱは、エンジニア好みの実験車だ。樹脂製のウインドーや燃料タンクなどを採用し、車高調整式サスペンションにランフラットタイヤを組み合わせた。地磁気式ナビゲーションシステムとレーザー式追従クルーズコントロールも注目を集めている。1.3Lエンジンにターボを装着し、燃料はメタノールだ。
>> 【画像13枚】第24回 東京モーターショー、ガスタービンエンジン搭載のNX-21など[日産 NX-21] 21世紀のプレミアムセダンを提案したのが日産NX-21だ。ガルウイングドアだが、メカニズムは手堅く、1980年代後半から実用化されるタッチパネルなどを積極的に採用している。搭載されていたパワープラントは、優れた効率が自慢のガスタービンエンジンだった。
【3】に続く初出:ハチマルヒーロー 2015年 11月号 vol.32
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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