ボディサイズが手頃なうえに軽いので、サーキットで楽しいB310【3】1979年式 日産 サニー 2ドア セダン 1400

2、3カ月に1回のペースでサーキット走行を楽しむ。130ps位というA14型改15仕様は7800rpmシフトが基本だが、2速では8200~8300rpmまで引っ張る。排気が詰まり気味のため抜けのいいマフラーを製作中とか

       
日産を代表する大衆車としてトヨタ・カローラとしれつな販売競争を繰り広げたサニー。多様化するニーズにこたえるべく、ボディ形状についてもさまざまなタイプが用意された。ここで紹介するのは、スポーティーなフォルムと快適性を両立させた2ドアセダン。異色ともいえるこのB310セダンの丸目、初期型モデルをフィーチャーする。

【珠玉のOHVユニット A型チューンの真髄に迫る 1979年式 日産 サニー 2ドア セダン 1400 Vol.3】

【2】から続く

 当初、ミッションはスタンダードの56Aを装着した。ギアのつながりはいいし軽いといいことづくしに思えたが、ガラスのミッションと揶揄される56A。耐久性がネックなのは否めない。実際にサーキットで2度ブローを経験し、強度に優れる60Aミッションに3速クロスを組み込んで積み替えている。ちなみにホーシングはPА10でこれにH165デフを組み合わせる。ファイナルは4.3と4.8を試した結果、富士も筑波も走れる4.3に落ち着いた。

 もちろん足まわりの強化にも余念はない。フロントはハコスカ用のストラットを流用し、Aアームやビルズ製車高調を装着。ブレーキはフロントにMK63キャリパー、リアにS30Z用アルフィンドラムを組み合わせた。
 内外装がスパルタンなうえにスリックタイヤ履きということもありコテコテの走行会仕様にも見えるが、いざとなればすぐストリート仕様に戻せるようヒーターは残してある。アンダーコートもそのまま。大掛かりな軽量化には着手していないというが、それでも車重は830~840kgという軽さ。

「ボディサイズが手頃なうえに軽いので、サーキットでも楽しいですね。タイムが速いに越したことはないけど、マイペースで走っています」とオーナー。最後に筑波サーキットでの目標タイムを聞いてみると「1分5秒台」という答えが帰ってきた。その実力は侮れない。

>>【画像26枚】無骨でありながらも、洗練されているクーペ用のオバフェンを加工流用したボディなど



>> 内張りやカーペットこそ剥がしているものの、アンダーコートはそのままという車内。ステアリングはナルディ製を装着する。ミッションは56Aから60Aに変更。重量増にはなったがトラブルは解消した。





>> コンソール上には水温、油温、油圧の3連メーターを設置する。





>> サーキット走行時の激しいGに耐えるための環境作りにも余念はない。運転席はレカロSP-Gのフルバケットシートに変更し、4点式ハーネスはシュロス製を組み合わせる。





>> ロールケージはクスコ製。安全性を向上しつつ、剛性アップを果たしている。一挙両得なアイテムだ。


OWNER

7年前にこのB310 2ドアセダンを手に入れたというオーナーは「GARAGE☆TAKU」の代表。以前はあまり興味がなかったというサニーだが、今ではその魅力にどっぷりハマってサーキット走行を楽しんでいる。旧車のチューンも対応するというので心強い。


GARAGE☆TAKU 千葉県八街市滝台1183-1 
TEL043-440-5554
http://www.tokigane.net/hp/garage-taku/


1979年式 日産 サニー 2ドア セダン 1400(B310)

SPECIFICATION 諸元
■エクステリア:TS仕様、リスタード製フロントスポイラー、クーペ用オーバーフェンダー加工/リアスポイラー加工、510ブルーバード用フェンダーミラー、ダークイエロー
■エンジン:A14型改1508cc(圧縮比11.5)、亀有製φ79mmピストン/ビッグバルブ(INφ40mm/EXφ33mm)/バルブスプリング、東名製78度カム/ガスケット、リン青銅製バルブガイド
■吸気系:ソレックス44PHH(φ38mmアウターベンチュリー、メイン175)
■排気系:φ50mmマフラー
■点火系:ワコー製CDI1200、永井電子機器製プラグコード
■冷却系:純正ラジエーターコア増し、セトラブ製オイルクーラー
■燃料系:コレクタータンク、NISMO製燃料ポンプ(2基)
■駆動系:NISMO製強化クラッチ、後期60Aミッション(ビルズ製クロス)、PA10ホーシング+LSD(ファイナル4.375)
■サスペンション:(F)ハコスカストラット流用車高調、ピロボール式Aアーム、ノーマル改スタビ (R)ノーマル改スタビ
■ブレーキ:(F)MK63キャリパー+φ255mmローター (R)S30Z用アルフィンドラム流用
■インテリア:ナルディ製ステアリング、ラムコ製10000rpmタコメーター、イノベート製A/Fメーター、大森メーター製追加メーター(水温、油温、油圧)、P-LAOⅢ、レカロ製バケットシート、クスコ製ロールケージ
■タイヤ:ヨコハマ アドバンスリック(F)210/490/13 (R)230/500/13
■ホイール:RSワタナベ8スポーク(F)13×8J (R)13×9J


初出:ノスタルジックスピード vol.019 2019年2月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1979年式 日産 サニー 2ドア セダン 1400(全3記事)


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【1】【2】から続く

text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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