ライトチューンのビートに直線で離されてしまう・・・すぐにチューニングを決意【2】1979年式 日産 サニー 2ドア セダン 1400

外板部品やガラス類もノーマルなので、TSレースに出ているような本気仕様のサニーと比べると車重は100kg程度重い。コラム上にはデジタルのA/F計とラムコの1万rpmスケールタコメーターを装備

       
日産を代表する大衆車としてトヨタ・カローラとしれつな販売競争を繰り広げたサニー。多様化するニーズにこたえるべく、ボディ形状についてもさまざまなタイプが用意された。ここで紹介するのは、スポーティーなフォルムと快適性を両立させた2ドアセダン。異色ともいえるこのB310セダンの丸目、初期型モデルをフィーチャーする。


【珠玉のOHVユニット A型チューンの真髄に迫る 1979年式 日産 サニー 2ドア セダン 1400 Vol.2】

【1】から続く

 そうしてオーナーのもとにやってきたB310。実はハコスカGT-Rも所有しているため、このサニーははじめから、走行会専用で楽しむつもりだった。しかし、エンジンはA12型ノーマルだったため、苦汁をなめることに……。

「袖ヶ浦フォレストレースウェイに行ったのですが、ライトチューンのビートに直線で離されてしまうんです。すぐにチューニングを決意しました」

 幅広い年代のクルマを扱う「GARАGE☆TАKU」を営むオーナーにとって、エンジン製作はお手のもの。富士や筑波、袖ヶ浦といろいろなコースを楽しみたかったので、エンジンはトルクフルなA14型改15を選択。

 ヘッドはビックバルブ化やポートの段付き修正、燃焼室の容積合わせをしたうえでカムは東名の78度をセット。高回転時の熱量の増大に備えてリン青銅バルブガイドに打ち替えるなど、ひと通り手が加えられた。

「A12型改1.3Lという選択肢もありましたが、スイートスポットが狭いのと、いろいろとやるとコストも重むのでA14型改1.5L仕様にしました。排気量がある分パワーバンドが広く、腕をカバーできるのも魅力ですね」

>>【画像26枚】バルクヘッド部分に設けられた当時モノの燃圧レギュレーターにて、安定した燃圧を確保する。キャブセッティングも自身で行なっているパワーユニットなど



>> キャブレターは元々付いていたソレックス44PHHを使っている。



>> ラジエーターは純正コア増し。電動ファンも追加されておりオーバーヒートの心配もなし。水温は78度くらい。サーキットでも気がねなくアクセルを全開にできる。



>> 点火系の強化も抜かりなく、ワコーのCDIを採用。高回転、高負荷時も確実な着火を実現している。



1979年式 日産 サニー 2ドア セダン 1400(B310)

SPECIFICATION 諸元
■エクステリア:TS仕様、リスタード製フロントスポイラー、クーペ用オーバーフェンダー加工/リアスポイラー加工、510ブルーバード用フェンダーミラー、ダークイエロー
■エンジン:A14型改1508cc(圧縮比11.5)、亀有製φ79mmピストン/ビッグバルブ(INφ40mm/EXφ33mm)/バルブスプリング、東名製78度カム/ガスケット、リン青銅製バルブガイド
■吸気系:ソレックス44PHH(φ38mmアウターベンチュリー、メイン175)
■排気系:φ50mmマフラー
■点火系:ワコー製CDI1200、永井電子機器製プラグコード
■冷却系:純正ラジエーターコア増し、セトラブ製オイルクーラー
■燃料系:コレクタータンク、NISMO製燃料ポンプ(2基)
■駆動系:NISMO製強化クラッチ、後期60Aミッション(ビルズ製クロス)、PA10ホーシング+LSD(ファイナル4.375)
■サスペンション:(F)ハコスカストラット流用車高調、ピロボール式Aアーム、ノーマル改スタビ (R)ノーマル改スタビ
■ブレーキ:(F)MK63キャリパー+φ255mmローター (R)S30Z用アルフィンドラム流用
■インテリア:ナルディ製ステアリング、ラムコ製10000rpmタコメーター、イノベート製A/Fメーター、大森メーター製追加メーター(水温、油温、油圧)、P-LAOⅢ、レカロ製バケットシート、クスコ製ロールケージ
■タイヤ:ヨコハマ アドバンスリック(F)210/490/13 (R)230/500/13
■ホイール:RSワタナベ8スポーク(F)13×8J (R)13×9J


【3】に続く

text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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