サニトラにスーパーチャージャーを組んだショップに依頼したターボ化【3】1979年式 日産 サニー 1400 セダン SGX-E

エンブレムやサイドモール、左右のテールレンズをつなぐガーニッシュも取り外し、徹底したシンプルさを狙う

       
310サニーに乗り、A型の魅力にとりつかれて早25年。もうオーナーと離れることのできなくなった「相棒」は、キャブ、インジェクションのチューンを経て、ついにターボへと進化した。A型らしからぬ強烈な加速を携え、まだまだサニーは進化をやめない!

【珠玉のOHVユニット A型チューンの真髄に迫る 1979年式 日産 サニー 1400 セダン SGX-E Vol.3】

【2】から続く

 続いてターボの話に移ろう。核となるタービンには、アシとして乗っていたステップワゴンに取り付けていたトラスト製TD04Hタービンを拝借。これをA型エンジンにセットするのに必須のパイプ類などは、もちろん市販されていないため、以前からの知り合いである東京の「Aファクトリー」 の代表・常陸暁雄さんに製作を依頼。常陸さんはこの時点でA型搭載のサニトラにスーパーチャージャー(!)を組んだ実績を持っていただけに、製作先としては最適だった。

 常陸さんは同時にオリジナルのインジェクターアダプターやフューエルレール、VQ37型用360ccのインジェクターをも駆使し、リンクのフルコンピューターG4プラスクロフネと連動させていく。

「ターボにする前の時点でインジェクション、つまりコンピューターの力を借りていたので、作業はスムーズに進みました。ただ、以前はSR20DET型用CPU+サブコンでもよかったのですが、今回はより細かい制御、電動ファンやブーストコントローラーまでも自在に調節する機能、タブレットとの接続も考え、リンクのフルコンピューターを採用しています」

>>【画像24枚】カーボンのカバーの中にあるのは、RB25型エンジンから取り外したダイレクトイグニッション。手前に見えるオルタネーターも、90Aのものに交換済みだった



>> AE86用車高調とAE92用ショックアブソーバーを組み合わせ、サニーのフロントに装着。コイルはアペックスの5kg/mmとした。ディスクブレーキもAE86から流用したものだが、ナックルアームはサニーとAE86では大きさが違うため、ワンオフ加工を施したという。





>> ターボ化に伴い、デフを強化版となるサニトラ用H165へチェンジした。B310セダンはコイルスプリング、サニトラはリーフスプリングのため、ブラケット類の移設をしなければならない大技なのだ。





>> リアの足回りを、タイヤを外して見てみる。ショックにはAE86用のショートショックを使い、コイルスプリングはRSR製の3.5kg/mmを採用。ブレーキ自体は純正のドラムのままだ。



1979年式 サニー 1400 セダン SGX-E(HB310)


SPECIFICATION 諸元
■エクステリア:310サニー低グレード用メッキゴムなしバンパー/低グレード用ボディ同色ウインドーフレーム、S30フェアレディZ用フェンダーミラー、フロントグリルメッキシートラッピング
■エンジン:A14型ブロック、φ76mm日産純正他車用ピストン、CA18型用H断面コンロッド(小端部フルフロー加工)、A15用クランク、JUN製スペシャルカム68度(カムリフト7.6mm)、ニスモ製バルブスプリング、Aファクトリー製オリジナル大容量オイルポンプ/電動ウオーターポンプ/フロントカバー/水温センサーアダプター/クランク角センサー、トラスト製オイルブロック、クランクプーリーVリブドベルト化、カーボン製ダイレクトイグニッションカバー
■吸排気系:S15シルビアSR20DET型スロットルボディ、Aファクトリー製オリジナルφ60mmフロントパイプ/純正改マニホールド、トラスト製TD04Hタービン、ARC製ブローオフバルブ、自作サージタンク/φ60mmマフラー(テール部のみφ70mm)
■点火系: RB25型用ダイレクトイグニッションコイル
■冷却系:アルミ2層ラジエーター、14インチ電動ファン、10段オイルクーラー、200系ハイエース用インタークーラー流用
■燃料系:Aファクトリー製フューエルレール/オリジナルインジェクターアダプター/インジェクターブロック、360ccインジェクター×4、ボッシュ製燃料ポンプ、SR20DET型純正燃圧レギュレーター
■電気系:リンク製G4プラスクロフネECU/ブーストコントローラー、90Aオルタネーター
■駆動系:ニスモ製メタルクラッチ/LSD、Aファクトリー製オリジナルクイックシフト、サニートラック用H165デフ
■サスペンション:(F)AE86レビン/トレノ用車高調、AE92レビン/トレノ用ショックアブソーバー、アペックス製5kg/mmコイル、ナックルアーム加工、切れ角ストッパー、ピロスタビリンク (R)AE86レビン/トレノ用ショートショック、RSR製3.5kg/mmコイル
■ブレーキ:(F)AE86レビン/トレノ用ディスクブレーキ
■タイヤ:ヨコハマタイヤ Sドライブ(F)185/55R14 (R)185/55R14
■ホイール:スピードスターマークⅡ(F)14×7J (R)14×7.5J
■インテリア:ナルディ製レザーステアリング、永井電子機器製タコメーター(グリーンLEDに交換)、トラスト製マルチメーター、イノベート製空燃比計、エイサー製タブレット(水温計/ブースト計/空燃比計)、レカロ製バケットシート

【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.019 2019年2月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1979年式 日産 サニー 1400 セダン SGX-E(全4記事)


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【1】【2】から続く

text:AKIO SATO(rsf)/佐藤アキオ(rsf) photo:RYOTA SATO(SAKKAS)/佐藤亮太(サッカス)

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