速いハコスカGT‐Rへ【2】「雑誌のZのように、パリッとさせてほしい」|1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R|大人がたしなむ旧車チューンド

外観は走り、内装はオリジナル重視。本物のRを気負いなく楽しむ

       

大人がたしなむ旧車チューンド

好きな旧車を自分好みにチューンナップするのは楽しいもの。サーキット走行やドラッグレースでのタイムを競うような、ハイチューンを極めるのもいい。一方で、気が向いた時に、ストリートやワインディング、高速道路を走らせて楽しむのがメインとなる旧車チューンドのスタイルにも注目しておきたい。旧車らしさやエキゾーストサウンドを楽しみながら、お気に入りのルートをドライブするのが似合いそうな、そんな大人な旧車チューンドをここでは紹介していこう。

GT-Rらしさや雰囲気を残しつつ
S20型が収まるエンジンルームをモダナイズ!

このハコスカRのオーナーは大のモータースポーツフリーク。アルファロメオ155でアルファチャレンジに参戦し、岡山国際サーキットを1分52秒台で走る実力を持つ。そんなオーナーには、希少なハコスカRも、購入目的はやはり走り。あこがれの6気筒24バルブのパワーとサウンドを、大人なファインチューンで味わい尽くす。

【 1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.2】

【1】から続く

 すでに手が加えられていた分、肩の力を抜いた付き合いができる。そんなふうに感じたオーナーは購入早々、ショップにチューニングに出す。依頼先は、旧車チューンに定評がある姫路の「プロショップ ナカガワ」。それまで付き合いがあったわけではなく、以前、ノスタルジックスピードで紹介したS31Zのチューンドの仕上がりに魅せられての訪問だったらしい。ちなみに、その時のオーナーのショップへの要望は、「雑誌のZのように、パリッとさせてほしい」という一言のみ。信頼が置けるショップには、とやかく注文をつけずに任せるのがオーナーのスタイルだ。

 それから1年半、実際に預けて約半年、オーナーのハコスカRは、ひとまず完成を迎えた。「ひとまず」としたのはセッティングを含め、チューニングはまだまだこれからが本番のため。それでも、購入当時とは見た目もコンディションも大違い。外観はRの雰囲気を崩さないレベルで、走り好きのオーナーに合わせスポーティーにモディファイ。足まわりは新調し、車高はフェンダーを加工しないで済む範囲での大人なセッティングになっている。


>>【画像32枚】吊り下げタイプとなっていたアクセルペダルが純正のオルガンタイプに戻され、表面のラバーもリフレッシュされている足元




>> シートは純正ベースに生地を張り替え。これだけで内装のヤレ感が激減。シートレールも交換済みだ。







1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(KPGC10)

SPECIFICATION 諸元
■エクステリア:ボディレストア
■エンジン:S20型ノーマルスペックOH(圧縮比10.8)、亀有製φ83mm鍛造ピストン、強化バルブスプリング、JUN製カムシャフト(288度)
■吸気系:ウエーバー45DCOE125、URS製カールファンネル(75mm)
■点火系:永井電子機器製MDI
■排気系:φ42.7mm等長ステンレスタコ足&ステンレスマフラー
■冷却系:純正ラジエーター3層加工
■燃料系:ニスモ製燃料ポンプ
■駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ(Aタイプ)/スーパーロックLSD
■ブレーキ:R32タイプMキャリパー
■サスペンション:ビルズ製車高調
■タイヤ:TOYOプロクセスT1R(F)205/50R15 (R)225/50R15
■ホイール:RSワタナベ8スポーク(F)15×8.5J (R)15×10J




【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.019 2019年2月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(全3記事)


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【1】から続く

text:KEISHI WATANABE/渡辺圭史 photo:AKIO HIRANO/平野 陽、SATOSHI KAMIMURA/神村聖

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