デビューとともに国産車の新たな時代の幕開けを告げたソアラ。
美しいスタイリングや豪華な室内、ライバルを凌駕する圧倒的なパワー、革新的な電子制御装備、そのどれをとっても、クルマが飛躍的に進歩した80年代を象徴する一台となった。
多くのファンを心酔させ、唯一無二の存在となったソアラの全貌に迫る。
【 1989年式 トヨタ ソアラ 3.0GT エアロキャビン Vol.1】
世の中にはさまざまなカテゴリーのクルマがあるが、ラグジュアリークーペはとりわけぜいたくなクルマだ。高級サルーンと同等の車格とステイタスを備え、2人乗りを想定したクーペボディに最上級の装備を詰め込んでいるのだから。ソアラはそんな上級志向のクーペだが、1989年4月に500台限定でリリースされたエアロキャビンは、そのなかでもっともぜいたくなモデルと言えるだろう。
エアロキャビンの特徴は、なんといっても世界初の電動格納式メタルトップ。その魅力は、クーペの静粛性やボディラインを保ちながらオープンカーならではの開放感を味わえることで、クルマを降りて手動でルーフの開閉を行う必要がないことも大きなメリットだ。エアロキャビンの場合、室内の天井にある3個所のストッパーを外し、センターコンソールに設置されているスイッチを操作することでルーフの開閉が可能。気軽にオープンエアを楽しむことができるのだ。
>>【画像19枚】3.0GTがベースだが、シートは本革のスポーツタイプが標準装備。シート後方に見える突起物は、走行風を整流するウインドーディフレクター。2シーター化に伴い、リアシートが本来ある部分には鍵付きの大型収納ボックスを設置。さらに背面部には、リアスピーカーも埋め込まれている>> 室内にある3個所のロックを外してコンソールのスイッチを押すと、昭和な雰囲気のブザー音とともにルーフオープン。ただし、開け切るにはボタンを3回に分けて押す必要がある。
1989年式 トヨタ ソアラ 3.0GT エアロキャビン(MZ20)
全長×全幅×全高(mm) 4675×1725×1345
ホイールベース(mm) 2670
トレッド(mm) 1460(前後とも)
車両重量(kg) 1610
エンジン型式 7M-GTEU型
エンジン種類 直列6気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 2954
ボア×ストローク(mm) 83.0×91.0
圧縮比 8.4:1
最高出力(ps / rpm) 240 / 5600
最大トルク(kg-m / rpm) 35.0 / 3200
変速比 1速 2.804 / 2速 1.531 / 3速 1.000 /
4速 0.705 / 後退 2.393
最終減速比 3.727
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 215 / 60R15(前後とも)
発売当時価格 430.9万円
【2】に続く初出:ハチマルヒーロー 2016年 3月号 vol.34
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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