日本に戻ってきた希少な北米仕様【2】人気のある、日本にはなかった仕様のモデル|1988年式 トヨタ ランドクルーザー 北米仕様 標準ルーフ 4.0Lガソリン

3眼メーターも内側にスピードメーター、外側に燃料/水温などのコンビメーターを配置するように反転。スピードメーターは当然マイル表示

       
ランクルの地位を確立したロクマル
日本に戻ってきた希少な北米仕様

【 1988年式 トヨタ ランドクルーザー 北米仕様 標準ルーフ 4.0Lガソリン Vol.2】

【1】から続く


 そしてランクル60は、ステーションワゴン系の55の後継車として1980年にデビュー。スタイリッシュなデザインや上質な内装などで、より乗用車らしさを強調した。80年代は日本国内でも4WD車が注目を集め始め、初代パジェロを筆頭にブームが起こっていた。そのような背景を受けて、1987年のビッグマイナーチェンジで、さらに高級指向へ舵を切った。55は北米を中心とした輸出がメインだったため日本ではなじみが薄かったが、60は国内で大ヒット。国産4WD車のトップモデルというランクルの地位を確立したのだった。

 国内同様、本場北米でもいまだに人気の高い60。この個体はユーティリタス代表の池谷祐一さんが渡米して直接仕入れた1台で、希少な純正ブルーかつフルオリジナルのFJ62LGだ。

「ロールーフの3F‐E型エンジン+4速ATの仕様は、日本にはないので人気が高いんです。日本仕様はハイルーフが中心で、後期の場合、ロールーフは4Lのガソリン・キャブかディーゼルの5速MTだけ。ハイルーフもいいですが、ロールーフはスタイリッシュですよね」と池谷さん。ちなみにアメリカでは、北米仕様にないハイルーフの4Lディーゼルターボが人気だとか。


>>【画像22枚】北米仕様の特権となるロールーフ+上下開きバックドアなど。バックドアは写真の上下2分割開きタイプのほか、5対5分割の観音開きタイプも設定。日本仕様(後期)の場合、ハイルーフが前者、ロールーフが後者となる



>> マイナーチェンジで曲線的となったインパネデザイン。この個体はダッシュの割れがなく状態は抜群だったそうだ。





>> オーディオやエアコンは日本仕様をそのまま移設しているのではなく、スイッチのレイアウトを反転。オーディオはドライバー側に電源ON/OFFと音量のつまみが、エアコンは同様に風量調整のレバーがくるように再レイアウト。






>> トランスミッションは4速AT。トランスファーの位置は日本仕様と同じ。






>> グローブボックスなど各部に貼られるコーションラベルはすべて英語表記。これらがキレイな状態で残っているのは奇跡的。


1988年式 トヨタ ランドクルーザー 北米仕様 標準ルーフ 4.0Lガソリン(HBSN2)

SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4673×1800×1750
ホイールベース(mm) 2730
トレッド前/後(mm) 1485 / 1470
車両重量(kg) 2032
エンジン型式 3F-E型
エンジン種類 直列6気筒OHV
総排気量(cc) 3955
ボア×ストローク(mm) 94.0×95.0
圧縮比* 8.1:1
最高出力(ps / rpm) 155 / 4000
最大トルク(kg-m / rpm) 30.4 / 3000
変速比* 1速 2.950 / 2速 1.530 / 3速 1.000 / 4速 0.717 / 後退 2.678
最終減速比* 4.111
ステアリング ボール・ナット
サスペンション リーフスプリング(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク /
リーディングトレーリング
タイヤ 225 / 75R15(前後とも)
発売当時価格* 202.2万円(1988年式GX標準ルーフ)
*は日本仕様の数値


【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 1月号 vol.33
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1988年式 トヨタ ランドクルーザー 北米仕様 標準ルーフ 4.0Lガソリン(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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