目指せFSW 2分切り2018【4】「速い奴がエラい」世界。30代のオーナーは鍛え甲斐のある弟分のような存在|1977年式 日産 フェアレディZ

タコメーターはラムコ製を装備。あえて傾けて装着しているのは「なんとなくかっこいいと思ったから」とオーナー

       
地元の小田原で果たした運命の出合いから、旧車スピードの世界にのめり込んでいった若きオーナー。
それまでつちかってきた価値観をひっくり返された後、ついに手に入れたS31フェアレディZ。
このS31Zをいかに速くできるか真剣に追求し、自らの頭と手を動かしてきた。
目指すは富士スピードウェイでの2分切り。夢の扉が開く瞬間は、もうすぐそこまで迫っている。

【1977年式 日産 フェアレディZ Vol.4】

【3】から続く

 エンジンを降ろしてオーバーホールする予定だというオーナー。そのあたりをキタバン(北村自動車鈑金塗装工業所)の北村さんにも聞いてみた。

「エンジンはまだ一度も開けていないので、どういう状態かはよく分からないというのが正直なところです。イスキーのカムはよく回るんですけど、バルブまわりとかピストン、クランクなんかは、どんな仕様で組まれているか、ちょっとよく分かりません。音を聞く限りではちょっと圧縮が足りてないのかな? という印象です。パワーを上げてあげれば、2分切りも楽にクリアできるんじゃないかな。でもまあ自分からいわせれば、今の状態でも、2分切りは十分に狙えると思うんですけどね(笑)」と北村さんがオーナーに対して、ちょっと手厳しいことをいうのは、どうやらいつものことらしい。

 「速い奴がエラい」というのが当たり前な時代と文化を生きてきた北村さんにとって、同じ地元に生まれ、まだ30代と若いオーナーは、鍛え甲斐のある弟分のような存在なのだ。
 実は現在、自宅を建築中のオーナー。念願だったガレージ付きの新居が完成した暁には、さらに旧車ライフが豊かなものとなるに違いない。ただ、キタバンは今より少し遠くなってしまうが、もちろん今後も「食らいついていく」つもりだ。


>>【画像27枚】φ48mmの等長エキゾーストマニホールドを装着し、高回転化とパワーアップを実現。熱対策のバンテージを施し、排気効率も向上させているエキゾースト周りなど





>> インパネ側には亀有製の燃圧計も装備。その手前にはサーキット派御用達アイテムのラップタイムを計測するためのP-LAPも備える。






>> デジタルの空燃比計を常に目に入る位置、ステアリングコラム上に装備。ステアリングはナルディにNISMOのホーンボタンを装着し、ワークスベル製ショートボスと組み合わせて取り付ける。



初出:ノスタルジックスピード 2018年11月号 vol.018
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1977年式 日産 フェアレディZ(全5記事)

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【1】【2】【3】から続く

text : HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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