目指せFSW 2分切り2018【3】現在のパーソナルベストは2分2秒台。次はエンジンを降ろしてオーバーホールする予定|1977年式 日産 フェアレディZ

Gノーズとワークスタイプ改フロントスポイラー、FRPボンネットを装備

       
地元の小田原で果たした運命の出合いから、旧車スピードの世界にのめり込んでいった若きオーナー。
それまでつちかってきた価値観をひっくり返された後、ついに手に入れたS31フェアレディZ。
このS31Zをいかに速くできるか真剣に追求し、自らの頭と手を動かしてきた。
目指すは富士スピードウェイでの2分切り。夢の扉が開く瞬間は、もうすぐそこまで迫っている。

【1977年式 日産 フェアレディZ Vol.3】

【2】から続く

 手に入れたS31Zは、サスペンションは亀有製のショックアブソーバーとクラフトのスプリングを組み込んでローダウン。バネレートは前後とも10kg/mmに強化されている。71Bミッションには亀有製のクロスギアを組み込み、ファイナルギアは加速重視の3.9にセット。クラッチはOS技研製のツインクラッチに交換している。ラジエーターやオイルクーラー、ブレーキ用のダクトなど、冷却系もしっかり強化することでサーキット走行にもきっちり耐えられるコンディションに持っていった。

 キタバン(北村自動車鈑金塗装工業所)北村さん監修のもと、基本的には富士スピードウェイに照準をドンピシャに合わせたセッティングを採用。自分でできる作業はオーナー自身が行い、手と頭を動かしながら、旧車乗りとしての実力をメキメキと上げていった。

 最初は2分20秒くらいだった富士のタイムも、走るたびに10秒台、5秒台とみるみる短縮。取材時のパーソナルベストは2分2秒台で、目標としている2分切りの実現まで、もうあと少しのところまで迫っている。

「ここ最近は練習不足がたたって、平均のラップタイムも5秒台くらいまで落ちてしまっているんですが、年内にはエンジンを降ろしてオーバーホールする予定です。今は、7000rpmがギリギリという状況なんですけど、7500rpmくらいまで回るようになってくれれば、現実的に2分切りも見えてくるんじゃないかと思います」とオーナー。


>>【画像27枚】定番のMDIを採用した点火系など。点火の安定化を図り、サーキットで必要な高回転・高負荷状態でもしっかりとパワーを引き出す。本体は助手席の足元に装着




>> φ48mmの等長エキゾーストマニホールドを装着し、高回転化とパワーアップを実現。熱対策のバンテージを施し、排気効率も向上させている。





>> キャブレターはウエーバー45DCOEを3連装着。燃料ポンプはFJ型エンジンから流用し、信頼性を高めている。





>> 右ストラットには、亀有製の大容量フューエルレギュレーターを装備。キャブへの燃圧を一定に保ち、必要に応じて調整するのに役立つ。


1977年式 日産 フェアレディZ(S31)


SPECIFICATION 諸元
■エクステリア:FRPボンネット/Gノーズ/ワークスタイプフロントスポイラー改/ワイドフェンダー/グランプリレッド
■エンジン:L28型改3.0L仕様、イスキー製78度カム
■吸気系:ウエーバー45DCOE
■排気系:φ48mm等長タコ足、スピリットガレージ製マフラー改
■点火系:MDI
■冷却系:銅製三層ラジエーター、セトラブ製34段オイルクーラー
■燃料系:FJ型用ポンプ
■駆動系:OS技研製ツインクラッチ、亀有製FS5C71Bクロスギア、LSD(ファイナルギア3.9)
■サスペンション:亀有製ショックアブソーバー、クラフトスプリング(前後10kg/mm)、前後タワーバー
■ブレーキ:(F)ブレンボ製φ280mmブレーキ、(R)HR30スカイライン用、冷却ダクト
■インテリア:ラムコ製タコメーター、大森メーター製メーター(水温、油温、油圧)、ブリッド製ローマックスバケットシート、サベルト製ハーネス、ワークスベル製ステアリングボス、ロールケージ
■タイヤ:ヨコハマ アドバンA050 (F)205/50R15 (R)225/50R15
■ホイール:RSワタナベRタイプ (F)15×8.5J (R)15×9.5J



【4】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2018年11月号 vol.018
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1977年式 日産 フェアレディZ(全5記事)

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【1】【2】から続く

text : HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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